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『召喚士』からのひとこと(第15回)
魔宝について
戦場アナ
「
魔宝ってなんなんでしょうね
」
召喚士
「
いきなりどうしたの
」
戦場アナ
「
いや、なんというか。このゲームの目的って『七つの魔宝を集めて「彼女」を倒す』って決まっているじゃないですか
」
召喚士
「
そうね
」
戦場アナ
「
ですが、その魔宝ってどんなものなのかわからないと、モチベーションとかネタ合わせに四苦八苦するわけです
」
召喚士
「
それじゃ、七つの魔宝についての解説でもしようかしら
」
戦場アナ
「
ぜひぜひ
」
召喚士
「
サチ司書。出てきなさい
」
戦場アナ
「
えっ!
」
サチ司書
「
喚ばれたのである
」
戦場アナ
「
出たァァッ、説教は嫌ァァァァ!
」
サチ司書
「
喚んでおいて失敬な娘であるな。まあ小生は心が広いのである。説教三時間で許してやろう
」
戦場アナ
「
(気絶した)
」
召喚士
「
その子の処遇は後回しにしてくれるかしら
」
サチ司書
「
うむ。魔宝についてだな
」
サチ司書
「
魔宝とは、端的に言えば『すごい魔法コントローラー』である
」
サチ司書
「
カレイディアの世界は魔法の物質『幻素』で構成されている。これは魔法の素材として加工しやすい反面、非常に不安定な性質を持っている。簡単に言えば暴走しやすいのだ。魔宝とは、それを制御する物である
」
サチ司書
「
といっても魔宝を使用して何某の魔法を使うというものではない。魔宝の効果範囲は世界全土。その範疇にいるすべての者に魔宝の力を与える。カレイディアに住む者全員が、魔宝の加護を受けているといえよう。生半可な者が適当に魔法を使っても、比較的安定するのは魔宝のおかげだ
」
サチ司書
「
この加護のせいで、カレイディアでは魔法戦士が多かったりするのである。まあ、これはいいだろう
」
召喚士
「
この世界の住人になくてはならない物ね
」
サチ司書
「
うむ。空気や水ほどではないがな。『あちらの世界』的に言うなら、幻素が電気、魔宝は発電所及び電線みたいなものと喩えようか。魔法を破棄すれば魔宝は不要になる。しかしこの世界においては魔法は日常的な物。捨てるわけにはいかん
」
召喚士
「
それぞれの魔宝はどのような姿をしているのかしら
」
サチ司書
「
七色の魔石、それぞれの色に対応しているな。形状は
『赤く輝く剣』『緑に萌ゆる腕輪』『藍に澄む本』『橙に煌めく時計』
……であった、かな?
」
召喚士
「
あやふやね。『紫』以降はどうしたの
」
サチ司書
「
魔宝はそれぞれに自我を持っているとも言われ、わりとしょっちゅう形状が変わるのである。小生の資料は古いようで、『紫』以降は確信が持てん。小生、間違った情報の提供は好まぬ。よって黙することにする
」
召喚士
「
なるほどね
」
サチ司書
「
ま、わからんというのも気分が悪いな。小生、情報検索に向かわざるを得ない
」
サチ司書
「
ということでコレは借りていくぞ
」
戦場アナ
「
(気絶したまま)
」
召喚士
「
お茶くみぐらいには使えると思うわよ
」
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