戦場アナ 「前回のお題は『クラスの違いについて』だったわけですが」 |
召喚士 「そうだったわね」 |
戦場アナ 「前回は2種類について触れられなかったので、そちらの解説をしましょう」 |
召喚士 「そうね」 |
召喚士 「輸送系はアイテムの保管が得意、探索系はアイテムの発掘が得意。これにつきるわね。どちらも戦闘外のフェイズが中心となるかしら」 |
召喚士 「そこで、この2系統は『撤退設定』をよく考えておいた方がいいわよ」 |
戦場アナ 「そういえば、このゲーム逃げられるんですよね」 |
召喚士 「で、輸送系はとりあえず逃げる必要ないわ」 |
戦場アナ 「えっ」 |
召喚士 「なんで輸送系は必要ないからって? どうせトロいから逃げられないからよ。けっこう丈夫だから、それなりのダメージには耐えてくれるはずよ」 |
戦場アナ 「盾扱いですかぁっ!?」 |
召喚士 「それぐらいしかできないというのもあるわ。戦場じゃ荷物以下のゴミって感じ?」 |
戦場アナ 「酷ッ」 |
召喚士 「それは冗談として」 |
戦場アナ 「……」 |
召喚士 「輸送系は全滅時のデスペナルティをなくすアビリティを持っているから、倒されても痛手は少ないのよ。もちろん、アビリティは使っていないと駄目よ」 |
戦場アナ 「いや、その、それって大けがするじゃないですか?」 |
召喚士 「逃げると魔石はあげられないけど?」 |
戦場アナ 「ええっ!?」 |
召喚士 「そりゃそうよ。ヒトが必死に戦っているってのに、こそこそ逃げるような奴ってなんかムカつくもの」 |
戦場アナ 「(魔石の分配って、召喚士さんがやってるんだッ……)」 |
戦場アナ 「む、むむ……。じゃ、逃げるのに失敗して倒されちゃったり、逃げてる最中に戦闘が終わっちゃった場合は……?」 |
召喚士 「同じよ。戦闘中に逃げることを選択した時点ですべてカット。その分は生き残った他の人たちにあげるわ」 |
戦場アナ 「なかなか厳しいですね」 |
召喚士 「そう。で、輸送系のアビリティはそれを無くすってわけよ。気楽でしょ?」 |
戦場アナ 「なんだか微妙に納得できないものもありますが、なるほどですね」 |
召喚士 「損して得をとれってことよね」 |
召喚士 「ま、倒してから出て行く分には何も言わないし」 |
戦場アナ 「そんな逃げたり逃げなかったりとか、器用な設定できるんですか?」 |
召喚士 「シンガリになってくれれば、戦闘中に逃げることはなくなるわ」 |
召喚士 「まったく逃げないってのも考え物ね。全滅したら身ぐるみはがされるんだし。でもまぁ、最後まで戦い抜くのって嫌いじゃないわね。上手く撃退したらご褒美上げたい気分になるかも」 |
戦場アナ 「でも探索系の人たちにはよく逃げてもらいたいものですね」 |
戦場アナ 「トレジャーができるのって探索系の人たちぐらいですし」 |
召喚士 「そうね。逃げられない探索系は死んでいいわ」 |
戦場アナ 「いや、あの、そこまで言わなくても……」 |
召喚士 「適材適所ってとこよ」 |
召喚士 「この世界にはとにかく人がいないからね。物流とか、肝心なものが死にまくっているのよ」 |
召喚士 「探索系にはトレジャーで宝をがんばって掘り出してもらいたいモノね」 |
取引メイ 「その通りです」 |
戦場アナ 「うわぁッ、なんですかいきなり!」 |
取引メイ 「私の名前は取引メイ。文字通り物流をサポートするNPCです」 |
取引メイ 「このゲームの世界では、『アイテム屋』というものが存在しません。といいますか、貨幣という概念からして存在しません」 |
取引メイ 「世界のほとんどの住人が生きていないことと、世界を凶悪な魔獣が跋扈しているせいで、一般人が出歩けないからです」 |
取引メイ 「そのせいで『物流』はプレイヤーの皆さん自身の手で行うしかありません」 |
取引メイ 「もっとも、すべてはまかなえませんから、最低限はわたしがカバーさせていただきます」 |
召喚士 「そうね。アイテムの数が決まっているあたりが象徴的かしら。でもまあ、普通にやったら、アイテムが足りないってことはないでしょ」 |
取引メイ 「はい。正常にアイテムの供給が為されていれば、ありえないと思われます」 |
召喚士 「その分、2系統が頑張らなければ大変ってことね」 |
戦場アナ 「私の出番が……」 |