Diary
召喚士より、受けた使命。
この世界の闇を払う事。 奪う事は出来ない。
何を持って払うものか、何をまずするべきか。
その前にまずやらねばならない事がある様だ。
今だ馴染まぬこの体。
今だ馴染めぬこの体。
敵と思われる者と遭遇し相対するも。
思う様に行かず、意志とは反対の行動に出てしまう。
まだ戦える身。 敵前逃亡。
この戦闘で彼女は理解する。
この仮初に与えられた体の主。
非常に臆病である事を。
非常に逃げ足が速い事を。
嘆く騎士の魂。
笑う黒い剣。
騎士は知る、先ずするべき事は、
この体の主の性根を叩き直す事。
剣は笑う。フォルゼアが意志とは反対に逃げ惑う姿に。
彼女は怒り剣を床に幾度も叩きつける。
怒り叫ぶ剣、やまない音。
聞こえる声。体の持ち主の声。
彼女もまた騎士である事を知る。
彼女もまた強きを求める者である事を知る。
然しながらにその逃げ腰。
鶏をも凌駕する逃げっぷり。
力を失った黒い剣がフォルゼアを茶化し叩きつけられ絶叫が響き渡り。
臆病な騎士が逃げようとし、フォルゼアに叩き上げられ絶叫が響き渡る。
妙な組み合わせが出来上がり、行き先不安に思う召喚士。
暫くは、ただ体の鍛錬を求められる日が続く。
闇を払う日が本当に訪れるのであろうか。
騎士フォルゼアの怒りの声とともに、
次なる説話へ。