Diary
一日目。
ぼーっとしていた。
二日目。
ぼーっとしていた。
三日目。
ぼーっとしていた。
四日目…
はたらけど はたらけど わがくらし らくにならざり
じっとてをみ…
てる場合ではないっ!
何故!なにゆえ!
夢魔の英傑であるこの私が!
斯様な有様になっていなければならぬ!
「すぅー…すぅー…」
全盛期まっただなかである私は、
多くの人間達を夢の世界の中へと陥れてきた。
「すぅー…くぅー…」
数多の娘達を目覚めぬ眠りに落とし、
崇められ畏れられる日々を過ごしていたというのに…。
「んー…ふにゃ…」
ぶるぶると震えることしかできぬ、この身は…。
もう一週間近くが経つ…。
くっ…召喚士とやら…
中途半端な儀式のせいで私の精神は二分割され、
しかも間の悪い事に動ける娘の身には、その身を操る事が
出来る程の力が宿らなかったと見える。
私の今の精神の力は…この小娘にしがみつかれている、
うさぎのぬいぐるみに宿っているのだ…。