「…のうライゼン、彼らは街で何をしておるんじゃ？宴会ではないのか？」

「知らん。私が聞きたいぐらいだ」

「試験官のオッサン、赤髪の吐血兄ちゃんときて
さあ次は誰が来るかなー！？張った張ったー！ｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

「じゃあ忍者の女の子にしようかしら。まだあの子見かけてないわよね？」

「何やってんの君ら」

「前王と魔女か…何日の猶予があるかは分からぬが、達成できるといいのう。
我らの契約主は外の"世界"出身じゃからの、一揆が終わったら自分の"世界"に帰還するそうじゃ。
我らは皆、暫く活動するのに十分すぎるほどの生命エネルギーを分けてもらったし
メルンテーゼに残る方針のようじゃな。向こうの"世界"で同じように生活できるとも限らんしのう。
一揆が終わったら…全てが落ち着くまで皆と共に色々な場所を見て回ってみたいものじゃな」

「…ああ、そうだな」

「あ、それもそうか。うーむ、その問題を解決せねば破綻するな。
契約者から既に生命エネルギーを分けてもらったエンブリオだとしても…うむ、供給が無ければ枯渇か。
やはりエンブリオと他の生物で相互関係を持たねばいかんな、そうそう都合のいいようにはできていないか」

「例外はあるじゃろうが、"世界"間の移動は行ったきりの一方通行ではないじゃろうし
肌に合わなければ戻ってくる事もできるじゃろう。契約者と同伴ならば
試しに『旅行』と洒落込むのもいいかもしれんのう。エンブリオ同士の契約は…契約の外部から
生命エネルギーを供給する方法があれば、じゃが、まぁ…そんなものがあればとっくに皆そうしておるか」

「契約を勝ち取れた我々は相当に楽なものじゃな、あまり考える事は多くなかろう。
名目上、目の前の障害を排除するためなら幾らでもどうぞ…といった感じじゃしな。
それでも用法用量を守って正しくお使い下さいという暗黙の何とやらはあるし
そもそも我は敵を打ち倒して悦に浸る趣味も無いしのう、適度にやっておるよ」

「うむ…その感覚は正しいじゃろう。
ちなみに、ガスティ殿の契約主のエンブリオの序列…というか、立場はどうなんじゃ？
我は一応、最も多くの生命エネルギーを譲渡してもらっておるから
暫定的に他のエンブリオを束ねておるよ。あまりこういう事に向いてはおらんがな」

「でもここ数週間僕も含めて出番ないよねｗｗｗｗｗ
後輩が優秀すぎるのもあるけどｗｗｗｗｗｗｗｗｗ寂しいｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

「いいんじゃよ全体的な能力の底上げしてる縁の下の力持ちなんじゃから」

「逆に道具である事を進んで自覚して動くエンブリオもおるそうじゃな。
トビアス殿の言う通り、道具として何も考えずに力を振るうだけでいいから楽、なんだそうじゃ。
…その辺は最早そのエンブリオの根幹的な性格や特徴付けに関わるものじゃろうがのう」