No.224 光の差さぬ底INDEX >>
[設立者] ENo.224 フィラデルフィア・シャントリエリ

王城の一室。
略奪され、明かりは失われている。
戦いの喧騒は遠いところにあり、こちらへ寄るものも今はない。

ロール用の専用コミュニティです。
恐れ入りますが、関係者以外の参加はご遠慮ください。



参加者からのメッセージ

ヤール(1496) の応答 >>
 深く、鋭く、どこか奇妙に、強く笑う声がする。

ああ、たしかに。

約束だ。

私は覚えている。
忘れはしない。

私は無限にその声を待つだろう。
きみからの呼び声を。
あるいはきみの命の消えたあとにも。
あるいは、私というものの滅びたあとにさえ。
……。

 光が生まれた。

 鮮やかに一筋、床の上へ滴り落ちながらに燃え上がる火があった。
 炎。
 熱。
 赤。
 ただ地上のものらに唯一自由となる卑属の太陽。

ああ、

”フィラデルフィア”。



……視えるとも。

たしかにみえる。

慣れるまで、少しかかりそうでは、あるけれども。
そうさな――。
いつかきみの言っていたように、視界が広いね。

 彼の言うとおり、そこにはたしかに一点、緑の光がある。
 恐らくはあなたに見慣れた、羨望の色をした赫きが。

そういえば。

ひとつ、言い忘れていたことがあってね。

 言いながら、彼はゆるやかにあなたへ近づく。
 床の上に散らばる調度の残骸、それらの躓きを容易く避けて、踏み越えながら。

 そうして、滴り落ちる赤い雫に手を伸ばす。
 ――その血の温みに。

私は獣の眼でものを見ることができない。

鳥の眼。
魚の眼。
もしくは虫の、それらのいずれも。
そもそも、それらでは譲り受けることさえできない。
私のものにすることさえ。

それは、「ひと」の眼でなければならない。

きみは、自分は人間ではないのだと言ったけれども。
果たして”ほんとう”に、そうだろうかな……?

 彼はただ真っ直ぐにあなたを見詰めて。

きみは、人間じゃないか。

フィリー。



参加キャラクター : 2名