［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「次はチナミ駅、チナミ駅でございます」

揺れる電車、流れていく景色。
スーツケースと鞄を持ち、車内の窓の外の風景をただひたすら眺めていた。

10月のある日のこと。

これは決して楽しい旅などではなく
これから始まる試練のようなものだったんだ。


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「12時を過ぎても解けない魔法にかかったんだ」

……絶え間なく、開いていく花火。そして浮かぶランタン。
空飛ぶ馬車は、優雅にそれと同じぐらい高いところに。

魔法使いはわたしの王子様になってくれて、
12時を過ぎても解けない魔法をかけてくれた。

手の甲にされた口づけをしばらく見つめ続け、
わたしは、この王子様とずっと楽しい時間が続くんだとこの時思った。


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「どうしてわたしはここに来たんだっけ？」

思い出せない。

最近、ここに来る前の記憶が薄れているような気がする。
大切な家族、妹の名前、けんか別れした大事な友人。

ここで過ごしてきたたくさんの大切な思い出で溢れてしまったせいかな。


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「今までで一番甘くて幸せなバレンタインだった」

大好きな王子様。

カップケーキの甘い香りを漂わせ、その日心は一つになった。
重なった唇から、直接心を交わしあった。

その日、『今までで一番甘くて幸せな日』という名前のついた日が
わたしの思い出に刻まれていった。


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「これから始まる、幸せな一日のために」

ある日、街中で変わったものを販売しているという
路上販売屋さんを見つけた。アクセサリーなどが主だったけど、
がらくたも多くあった。

そんな中、小綺麗でしっかりしているが、なぜか不思議な雰囲気のする
手帳のようなノートのようなものを見つけた。
それは中身はほぼ真っ白で、メモ帳として使えそうだった。
安かったので2冊買って、あの人と交換日記とかしてみようかな、なんて思って買ってみた。

今度一緒にお出かけするとき、プレゼントしてみるんだ。
　

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特に何もしませんでした。