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<< 35:00~36:00
[基本]OK. [戦闘]OK. 




怪人メンソール
「助手さん。もうお察しでしょうけれど、念のため申し上げておきますね。探偵さんのアレは所謂ナレハテ化です。ハザマにありながら戦いを選ばなかった弱き者の、不可逆にして絶対の運命。この世界の理ですゆえ、完全に戻すことが出来るかどうかは分かりませんよ?」

ニコ
「ええ…分かってるっス、覚悟はしてるつもりっス。けど…」

チャコール
「熱い…熱いッ…秘密を……もっと…秘密をオオオッ!!!!」

ニコ
「アッシは灰色の名探偵に…チャコール先生に、もう一度会いたいっス…!」

 少年は固い決意を胸に、哀れなナレハテと化した探偵と対峙する。

 刹那、前髪の間から覗いた少年の右眼が鋭く煌めく。
 それは夜の終わりに輝く残星ーーーーーー禍福の暁星、その光だった。


チャコール
「あ、ああ…星の…光…だ…」

 自らも強い輝きを持つ烈日の瞳だが、烈日を照り返すような暁星の光に、眩しそうに目を細めた。
 
 その時だった。それはまさに奇跡だった。

 探偵の細めた目の周りから、焦げたように黒化していた色が元に戻り始めたのだ。

ジッポー警部
「な、何が起きているでありますか…!?」

怪人メンソール
これが正真正銘、嘘偽りなし、純正品の奇跡ですよ、警部殿。
災いの裏に隠れてしまった幸いを強制的に引き摺り出す、光り輝く星の瞳。
非情なる運命を好転させ得る、唯一の至宝ですよ。」

 しばらくすると、焦げの中から見慣れた貌が露わになった。

チャコール
「………ニコ、ちん…?」
ニコ
「せん…せい…!?先生、先生!!戻ったんスね!?」
ニコ
「よかったぁ、よかったぁ…!」
チャコール
「…随分、探させちゃったみたいだな。」
ニコ
「探したっスよぉ…探したっスよ先生…!」
チャコール
「ごめんな、本当にごめん。ありがとう、ニコちん…」
ニコ
「帰りましょう先生!この戦い、アンジニティの勝ちっス!アッシら、イバラシティに住むことができるっスよ!帰りましょう!鍛炭探偵事務所に!!」
チャコール
「…残念だけどね、俺は一緒に行けないんだ。」
ニコ
「え…?どう、して…どうしてっスか先生…」
チャコール
「世界影響力…っていうのかな、それが足りないんだ。俺はこの世界で戦いを避けすぎた。秘密を追う事を優先しすぎて、戦いから逃げてしまったんだよ。これはその報い、かもしれない。今の俺にはもう、イバラシティに戻る力がないんだよ。ニコちん。」
ニコ
「そんな…!そんなの、あんまりっスよ…」
チャコール
「ごめんな、ニコちん。せっかく探してくれたのに、本当に、ごめん。」
チャコール
「警部殿、それからメンソール。あっちに戻ったら、ニコちんを頼む。」
ジッポー警部
「…了解であります。チャコール先生。今まで、本当に…ご協力、感謝申し上げるであります!!」

怪人メンソール
「おや、いいのですか?探偵さん。警部殿はまだしも、宿敵である私に助手さんを託すなんて。」

チャコール
「…ああ。アンタなら、星の瞳の持ち主同士、ニコちんの支えになってくれるだろう?なあ?《静謐なる月明》、月の瞳を持つ怪人さんよ。」

怪人メンソール
「…あなたがそう仰るなら、謹んでお請けしましょう。」

ニコ
「先生…嫌っすよ、お別れなんて…!」

チャコール
「大丈夫、ニコちん。きっとまた会えるよ。俺は探偵だ、探偵は、事件ある処ならばーーーーーー」

 そう、探偵が言いかけたところで、無情にもワールドスワップは始まった。
 世界が歪む。視界が歪む。意識がぐにゃりと渦を巻く。

ニコ
「先生…先生ーーーーーーーっ!!!」

 全てが入れ替わる瞬間に助手が見たものは、再び黒く焦げてゆく、堕ちた探偵の姿だった。





 気がつくとそこは、鍛炭探偵事務所の応接室だった。
 静かな室内には、換気扇の回る物寂しい音と、やや離れた大通りの喧騒が微かに響くのみだった。
 僕ーーーーーーニコ・アッシュトレイは、このイバラシティにおいては皿屋敷丹虎<サラヤシキ アカトラ>、通称ニコと呼ばれる大学生である。
 
ニコ
「先生…先生?先生…どこっスか…!?」

 僕は室内を見渡しながら、先生を呼んだ。
 しかし、主を失った事務所には、換気扇の回る微かな音が響くのみだった。
 あまりにも大きな喪失。心にぽっかりと空いた穴。
 目眩がしそうだった。脳の奥がじんわりと重くなる。
 思わず、膝をついた。事務所の床は冷たくて硬い。
 体の芯まで冷える思いだった。
 しかし、もう泣いても笑っても先生は帰ってこない。
 先生は、いないんだ。もう、この世界のどこにもいない。
 僕は呆然と、事務所の床に座り込むしかなかった。

 どのくらい経っただろうか。
 とんとんとん、と静かにドアをノックする音が聞こえた。

???
「助手さん、おられますか?」

ニコ
「は、はい!」

 僕がそう答えると、静かにドアを開けて事務所に入ってきたのはーーーーーー

涼木夫人
「失礼しますわ、お邪魔してもよろしいかしら?」

 この事務所の大家にして、1階で喫茶店を営む涼木夫人ーーーーーー僕がニコ・アッシュトレイと呼ばれていた場所での呼び名は《セーラム夫人》、その人である。
 
ニコ
「お、大家さん、貴女も戻ってきてたっスね…?」

涼木夫人
「ええ…この度は本当に、お疲れ様で御座います。その…残念、ですわ。探偵さんを此方に戻すことができなくて…」

ニコ
「…仕方ないっスよ。あれが先生の選んだ道だったっス。」

涼木夫人
「…助手さん。これは私からの提案なのですが…」

 夫人が羽織っていた上着を翻すと、どういう仕組みなのか、夫人の衣服が一瞬で早変わりし、そこにいたのは見知った怪人の姿だった。

怪人メンソール
「…私と一緒に来てくださりませんか、助手さん。探偵さんがいらっしゃらない今、あなたが無理をして探偵助手を続ける理由は御座いません。あなたの瞳や、いや、瞳だけではありません、その数奇な運命は、その高潔な精神は、私たち宵闇の暗躍者に相応しい。ねえ、助手さん。探偵さんの不在で時間を無駄にするよりも、あなたのその一分一秒を、輝く夜へと投じてみてはいかがですか?」

 しばらくの間をおいて、僕は口を開いた。

ニコ
「…お誘いいただき光栄っス。でも、怪人さん。アッシは夜を生きるよりも、気長に夜明けを待ちたいっス。」

怪人メンソール
「…ほう?」

ニコ
「先生は、いつかまた会えると言っていたっス。だったら、助手のアッシは、それを待つべきっスよ。アッシ、それまで何年でも、何十年でも待つっスから…!」

 無理に笑って見せたが、本当は痩せ我慢だ。怪人もそれを察したのだろう、くるりと踵を返しながら言った。

怪人メンソール
「…わかりました。では、あなたがその気になるまで、私も気長に待つとしますかね。」




 それからずっと、僕は事務所で先生を待ち続けた。
 時々来る依頼人の相談に乗り、ちょっとした事件を解決し、この鍛炭探偵事務所の存続に尽力した。
 涼木夫人や警部殿の助力もあって、思ったよりも順風満帆にことは進んだ。
 しかし、待てども待てども、先生は帰ってこなかった。


 そうこうしているうちに、数年の時が過ぎた。
 ある屋敷で起きた不審な殺人事件の調査の依頼が、事務所に舞い込んだ。
 しかし、この殺人事件は難題だった。
 それなりに場数を踏み、推理力も上がったと自負していた。
 ところが、この事件は一向に手がかりが掴めなかった。
 秘密が、謎が、まるで見えないのだ。
 手も足も出ず、困り果てた僕は、思わずボソリと呟いた。

ニコ
「こんな時、先生がいてくれたら…」
 
 その時だった。突然、背後から呑気な声が聞こえてきたのだ。

???
「ほう、これはこれは。なかなか吸いごたえのありそうな秘密じゃあないか。なあ?」
 懐かしくもあるその声に、思わず勢いよく振り向いた。
 そこにいたのは。
灰郎
「で?今回はどんな事件なんだい?ニコちん。」
 灰色の髪。
 土気色の肌。
 見上げるような長身に、赤く輝く火の色の目。
ニコ
「せ…ん、せい…!!」
 
ニコ
「先生っ!!!」

灰郎
「待たせたね、ニコちん。」

ニコ
「もう!もう!!!待ったっスよ!!!待ってたんスから!!!!事務所も開いて、探偵の代理して!!アッシがんばったっスよ!?」

灰郎
「ありがとう、待っていてくれて。ありがとう、よく頑張ったね。おかげで帰ってこれたよ。本当に、本当に、ありがとう。」

ニコ
「……!!そうっスよ、先生はあの時、ナレハテ化してハザマに取り残されたはず…それなのに一体なぜ、イバラシティに帰ってこれたんスか?」

 探偵は大きくタバコの煙を吐くと、薄く笑った。

灰郎
「結局のところ、俺はどこまでも《探偵》だったということさ。
物語における《探偵という役割》そのもの、概念的な探偵。つまるところ俺は、《探偵という存在》なんだろうさ。
そりゃあ、探偵になる前のことなんて覚えてるわけがないよな。
俺は初めから、探偵だったんだから。」


灰郎
「それは俺が探偵だからさ。ニコちん。
人々を悩ます事件が、事件に潜む謎が、謎に隠された秘密があれば、探偵はどこにだって現れるよ。
今、ここには事件がある。
人々は探偵を必要とした。
そして君は、俺を必要とした。
だから《俺》という《探偵》が現れた。イバラシティという街の理に則って、ナレハテではなくヒトの姿でね。
ありがとうニコちん。君が俺を必要としてれたおかげで、俺は君の元へ帰ってこれたよ。」


灰郎
「感動の再会をしたいところではあるが、俺の前には事件がある。謎がある。秘密がある。だったら、やることは一つだろう?」

ニコ
「はい…!はいっス…!!」

灰郎
「さあ、謎を解き明かそう。隠された秘密を呑み尽くそう。
それが俺、私立探偵のーーーーーー」

 斯くして、探偵は帰還した。
 これから彼がどんな依頼人に出会い、どんな事件に関わり、どんな謎を解き、どんな秘密を吸うことになるのか。
 それは、また別のお話で。






特に何もしませんでした。








ENo.520
私立探偵・鍛炭 灰郎
※エンジョイ勢
※ロール>>>戦闘
※森羅万象一切合切を許せる人向け

鍛炭 灰郎(カスミ ハイロウ)

職業:探偵
性別:男
身長:185センチ
体重:75キロ
年齢:「37…38、いや、36だったような…」

カスミ駅前の古びたビルに事務所を構える私立探偵。
怠惰で無気力、常にタバコを喫する胡乱な男。
依頼を遂行する能力だけは高く、基本的にどんな依頼でも安価で請け負う。
その代わり、依頼者の「秘密」を報酬として要求する。
30 / 30
5 PS
チナミ
B-4
行動順9【日和】AT・AG・HL↓
22906
300







Noアイテム名種類強さ効果1効果2効果3(素材・食材の場合は詳細等)
1不思議な武器武器10【射程1】
2不思議な防具防具10
3不思議な装飾装飾10
4不思議な牙素材10[武器]攻撃10(LV5)[防具]活力10(LV5)[装飾]体力10(LV5)
5不思議な石素材10[武器]回復10(LV5)[防具]防御10(LV5)[装飾]幸運10(LV5)
6不思議な食材食材10[効果1]器用10(LV5)[効果2]敏捷10(LV10)[効果3]耐疫10(LV15)
7不思議な食材食材10[効果1]器用10(LV5)[効果2]敏捷10(LV10)[効果3]耐疫10(LV15)
[出現付加の効果一覧] 最大所持可能数[50]




異能・生産
名称LV説明
武術50身体/武器/物理
制約5拘束/罠/リスク
具現5創造/召喚
解析50精確/対策/装置
付加10装備品への素材の付加に影響
合成10合成に影響

アクティブ
被研究スキル名/元スキルLVEPSP説明
バリツパンチ
(ブレイク)
8050敵:攻撃
追及
(ピンポイント)
9050敵:痛撃
三段論法
(クイック)
8050敵:3連撃
ブラスト5050敵全:攻撃
ヒール5050味傷:HP増
ドレイン5050敵:攻撃&味傷:HP増
名推理
(ペネトレイト)
5050敵貫:痛撃
スイープ5050敵列:攻撃
ストライク5050敵:攻撃+自:連続減
アサルト5050敵:痛撃+自:連続減
クリエイト:タライ5050敵:攻撃&混乱
プリディクション50120味列:AG増(3T)
デアデビル5060自:HP減+敵傷4:痛撃
クリエイト:シールド52200自:DF増+守護
フィジカルブースター50180自:MHP・DX・自滅LV増
クリエイト:チェーン50100敵3:攻撃&束縛+自:AG減(1T)
キャプチャートラップ5090敵列:罠《捕縛》LV増
クリエイト:メガネ50100味:DX・AG増(5T)
チャージ50100敵:4連鎖撃
ブロック5080自:守護+DF増(2T)+味傷:護衛
フェイタルポイント5080敵:精確痛撃
イレイザー50100敵傷:攻撃
リンクブレイク50150敵全:精確攻撃&従者ならDX・AG減(3T)
ハードブレイク51120敵:攻撃
ウィークサーチ50130自:朦朧+敵:DF・AG減(3T)
ブレイクスルー50140自:貫撃LV増
フィアスファング50150敵:攻撃&MHP減
コンシアンス50200味:精神変調耐性増+強化ターン効果を延長
ジェネラル50270敵:5連鎖撃&名前に「撃」を含む付加効果のLV減
マーシャルアーツ50330自:DX増+名前に「撃」を含む付加効果のLV増
ソードブレイカー50240敵:攻撃&装備によるAT減
ライブラリ5010自4:HP減+付加効果を1つ失うことで連続増
メナス50400自:無属性攻撃化(5T)+敵列:粗雑攻撃
コンキスタ52400敵:攻撃&3D6がX以上なら、名前に「撃」を含む付加効果を1つ奪取 ※X=6+奪取対象の付加効果のLVが高いほど増加
カペルスウェイト52400敵6:攻撃 ※属性耐性の合計値が高い対象ほどダメージ増

パッシブ
被研究スキル名/元スキルLVEPSP説明
猛攻550【戦闘開始時】自:AT・DX増
堅守550【戦闘開始時】自:DF・AG増
攻勢550【戦闘開始時】自:AT増+DF減
守勢550【戦闘開始時】自:DF増+AT減
献身550【戦闘開始時】自:HL増+LK減
太陽550【戦闘開始時】自:MHP・HATE増
潜入
(隠者)
550【戦闘開始時】自:MSP増+HATE減
応酬540【被攻撃命中後】対:精確攻撃
怪力乱神550【戦闘開始時】自:武術LVが高いほど無属性攻撃が強化
心機掌握550【戦闘開始時】自:敵がスキルキャンセルされるたびに、AT・DF・DX・AG・HL・LK増
乱離骨灰530【戦闘開始時】自:名前に「撃」を含む付加効果の発動率増
最大EP[25]




被研究カード名/スキルEPSP説明
ほっと一息
(ヒール)
050味傷:HP増
デアデビル
(デアデビル)
060自:HP減+敵傷4:痛撃





[深度]スキル名[深度]スキル名[深度]スキル名



PL / ????