［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　

奥野晴明銀貨はこの度の侵略戦争に負けた。
無論、彼個人だけのせいではないだろうが、負けたことは負けたのだ。
ワールドスワップは発動され、イバラシティにいた人間は大体がアンジニティ送りになるのだろう。

銀貨は思う。別に世界が変わろうとも、自分は生きていくのは難しくないだろう。
それだけの優れた資質が自分には備わっていると自負しているし、
人間の倫理観を捨てれば、つまり手段を選ばなければ生き延びていくだけなら可能だ。
体を全て蟻の群れに変じさせ、取るに足らない生き物として、生きていくのなら。

そういう惨めな生き方もまた負けたものの末路にふさわしいのかもしれない。
でも、自分の能力を活かして、何の制限もなく暴れるならこれほど合っている環境もないだろう。
再び何らかの兆しがあるまでは、奥野晴明銀貨の意識はただの蟻に分割され、
原始的な生き物として生きるために眠りにつく。

さて、他の人々はどうするのだろうか……考えても仕方がないことだが
間違って知己を襲ったりしては厄介だ。
けれどまぁ、彼らと食い合うことも悪くはないのかもしれない。
きっとここまで生き延びられた知り合いは、とても美味しそうだからだ。
今まで付き合ってくれたメンバーも例外ではない、ラフィエル、煉、有可にとりで――。
感謝はあれど、それだけで食らうのを躊躇するのはもったいない。

食欲という欲望に突き動かされた蟻の群れがどこへ行き着くかは、だれも知らないだろう。