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―― 耳を圧迫するような、風のなびき。 大きな翼が、上空で羽ばたき―― 急降下してきた!木々の葉が吹き飛ばされる! 大烏の化け物が獲物めがけて舞い降りる! |

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ふらつく足をなんとか踏みとどまってあなたのほうを向く。 |
| キバ 「あんたがアンジニティのやつなのは、 そんなに……驚かない」 |
| キバ 「こっちが怖がってんのわかって ちょっかいかけてきてさあ…… お前が来るとクラスがめちゃくちゃになって……」 |
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キバ 「けど、ここにくらべたら ずいぶん楽しいもんだったんだな。 すくなくとも、 笑ってる奴らはたくさんいた。 たぶんあんたのこと、 本当はそんなに嫌いじゃなかったんだ」 |
| キバ 「……俺はイバラシティに帰らなきゃなんないんだ。 せめて、足止めくらいなら……」 |

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「あらまあ」 |
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「あなただったのね…! あなたってば、ふふふ!こんなにあどけなかったかしら。」 「あの街で見たときは 同じくらいの目線だったから ふふふ、なんだかかわいらしい…」 |
| シーラ 「ねえ、もっと近くで顔を見せて。 良く見せてほしいの…おそろしいことなんてなぁんにもしない――あ、いやだ。 それはうそだわね。 “百葉箱のしぃらさん”は、怖がらせるのが大好きだもの! とりわけ…あなたの恐怖は絶品よ」 |
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女の唇の端があがる。 きらきらとひかるひとみの光は、何かを期待するように。 |

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「知っているわ、わたし!あなたのそのまあるいまあるい卵のような坊主頭の中に ぷかぷか浮かぶ脳が いったいぜんたい、何を恐れているか。 ねえね、あててみせていいかしらっ? うふふ、それは」… |
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「お」 |
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「ば」 |
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「け」 |
――パン!! |

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覚えてる? 土のような味の。 あのチョコレート。 |

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覚えてる? 天藍祭でわたした あのブーケ。 |







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瓦礫が降り注ぐ。 |

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「・・・お腹いっぱいこわがったら、ねえ、わたしのもとへ来ていただきたいの! …変わるのだわよ! うふふふふ。わたしの実験に協力してくれたら、なにも怖れることもない とってもステキな! あたらしいあなたに」 |
| シーラ 「――あらっ。 だけれどわたし、あなたの異能を知らないのだわ! あんなに日々が交差したのだもの、しらべがついてもよかったのに…」 |
| シーラ 「――ハザマの異能の強化。……油断大敵?」 |



| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |

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瓦礫が降り注ぐ。 |

| シーラ 「いでよ!」 |




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不運なことに――それがあなたの前にあらわれることはなかった。 |
| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |
| キバ 「くらえっ!」 |
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嫌な予感がする。 |

| キバのカード発動! |
| キバ 「……」 |
| キバのカード発動! |
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アンラディアンス 「——ちょっとばかし、手荒にやるぜ。 じゃないと間に合わなそうだ……ッ!!」 |

| キバ 「……」 |
| キバ 「……」 |
| キバ 「……」 |
| キバ 「……」 |
| シーラ 「ええ、死ぬがいい。」 |

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瓦礫が降り注ぐ。 |

| シーラ 「いでよ!」 |




| 悪意の魔女のカード発動! |
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「 」 |
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「 」 |
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「 」 |
| キバ 「くらえっ!」 |
| キバ 「やられて……たまるかよ……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「やられて……たまるかよ……」 |

| キバ 「……」 |
| キバ 「……」 |

| シーラ 「ええ、死ぬがいい。」 |

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瓦礫が降り注ぐ。 |

| キバ 「……」 |
| シーラ 「こうべを垂れよ」 |
| キバ 「やられて……たまるかよ……」 |

| キバ 「……」 |
| キバ 「しつっこいな!」 |
| キバ 「やられて……たまるかよ……」 |

| キバ 「……」 |

| キバ 「……」 |
| シーラ 「あら?まあ!」 |

| 悪意の魔女のカード発動! |
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スターシャ 「ささ、鼻で一気にズッと吸ってください」 |
| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |
| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |
| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |
| シーラ 「まさか…! っうそだわ……!」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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| キバ 「成仏しろよ。しぃらさん。」 |
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キバはもう振り返らない。 |

