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「………やるか。」 |

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ハザマの生き物が見える。もう見慣れた気もするし、恐ろしさもある。 |
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「"お前"にとっちゃオレなんか、数時間いただけのくせにって思ってんだろ。でもオレは最初から見てたんだぜ。そりゃ紫明との記憶に比べたら短いけどな。 オレがいない時も、ずっとここにいたお前のことは、街が、覚えてるんだ」 あれらと"1人"で向き合わずに済んでいるのは。 利用だろうとなんだろうと、ここを去らないたった一人がいるからだ。 |
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「それで余計なもん扱い、できるわけないだろ……!」 |

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―――花が、散っては咲いて、散っていく。 |
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息を吸って吐く。 |
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エイキ 「……つか、まあ、話してもらえてよかったぜ!本当に何も知らないままになる所だったな。 最後の最後にさ……そういうのがオレの為なら、……」 |

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「……ま、さくっと終わらせようぜ。前はちょっと油断してやられたけどな!今度はそうはさせねぇ。 時間勿体ないし話しながら……あー、別に紫明っぽく喋れとは言わないからな。何か、そういう作った感じは逆にらしくない気も……」 |
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「……いや、そうでもないか……? こう、頭のおかしい語尾で話せっつっても動じなそうだよなお前……」 |

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エイキ 「……、いや、オレがごまかすのはダメだな……悪い。本当に……オレも、こっちでの話するけどさ」 |
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エイキ 「悪いが、オレは紫明の知ってるオレでいるのは難しそうなんだ。 できるだけ頑張るつもりではいるが……」 |


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エイキ 「記憶が戻ってきたばっかりの今は、多分まだ大丈夫のはずなんだが…… この街の考えてることに、どんどん引っ張られてさ、だんだんどこからがオレの考えか分からなくなる」 |
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身代わりに、ボロボロの標識を飛び出させる。 |

| 椿鬼のカード発動! |
| クーマー 「おとどけでーす」 |
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エイキ 「ここをこう……あ゛」 |
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身代わりに、ボロボロの標識を飛び出させる。 |

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エイキ 「……紫明はそんな感じ、あるのか?どうだろうな。 そうじゃないといいんだが……本当に、これは気分がよくないからな。あぁでも前よりはマシなんだぜ」 |
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エイキ 「前までは一度バラして組み直す実験ばっかりだったんだけどな。 いくらか試したから、ここらで組み込むほうがみんなのために早く上手く行きそうなんだ」 |
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身代わりに、ボロボロの標識を飛び出させる。 |

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エイキ 「何つったらいいのか、まあ、多分もうちょいで今回分もこの街の一部として馴染んできっと役に立つ……」 |
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エイキ 「……なぁ、今はまだ"紫明"の知ってる"黒唯エイキ"のままか?」 |
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あたりを夜が覆う。 物も人も黒く沈んで、湿った空気が漂い始める。 その分明かりはくっきりと。 |
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「チッ……!」 建物の一つをねじ曲げ、落下させる。 |
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エイキ 「オイ逃げんなよ!!!」 |
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身代わりに、ボロボロの標識を飛び出させる。 |
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身代わりに、ボロボロの標識を飛び出させる。 |


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エイキ 「つまりな……オレが……何だ? ……そうだ、いないのに、紫明だけ放り出されても困るんじゃねえか……」 「……違う、別にお前のためじゃなくて……」 |
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小さな虫の声しか聞こえない。 |
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エイキ 「どうやってんだソレ……」 |
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エイキ 「……」 |
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エイキ 「いいって……」 |
| 街喰らいのカード発動! |
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| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 2 0 1 0 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 1 1 1 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
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「また一時間後に。」 |
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「……あの時は、諦めないなら好きにしろって言ったけどさ、やっぱ諦めたほうがいいかもな。 お前は、お前のために、色々……それで、」 |
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「オレは、こんな姿を用意する意味がわからない」 |
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人の形を唐突に崩した。 |
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一見人影のような、中心にレンズのような何かが見える塊に戻る。 街は元通り、知らない誰かの姿と声だけが行き交ういつもの姿で、 次の"敵"へ向かって、移動を始めた。 |
