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ミハル 「やさしく、ていねいに、花を扱うかのように。 傷つけてさしあげます。 そうすれば、オレはお前を愛することができる」 |
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──刹那、男が苦し気な嗚咽を漏らした。 花の香りは掻き消えて、泥のにおいに満ちていく。 忌まわしき泥が、苗床から ずるり、ずるり と零れていく。 そして、そいつの足元が水に打たれたかのように揺らいだ。 ── ぐぽり と空気を吐き出して、泥の触手が現れる。 肉のような質感を伴う泥は、体に浮かべた数多の眼玉を ギョロリ、ギョロリ と転がして、敵意ある視線をあなたへ向けた。 |

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ミロワール 「……一人なのに多いなぁ。」 |
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悲劇を呪え。不幸を恨め。敵を憎め。絶望を孕め。 |
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平穏を尊べ。幸福を望め。隣人を愛せ。希望を抱け。 |

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戦え。愛しき者どもよ。 抗え。愛しき者どもよ。 |
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愛しきその心を以て、運命を跪かせろ。 |

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其れこそ、わたしが世界に仇成す理由である。 |



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わたしはちゃんと、演じられているだろうか。 |
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ミハル 「おっと。危ない、危ない」 |
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ミハル 「あとちょっとだっと思ったんだけど」 |
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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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胎内から滑り落ちた泥が隆起し、肉のような腕を模す。 肉のような山を模す。ばけもののようなヒトを模す。 |
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そいつ世界は、ばけものに満ちていた。 |

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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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ミハル 「う、……。……」 |
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どれがだれで、だれがどれだかわからない。 |

| ミロワールのカード発動! |

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どうして、この頬は濡れているのだろう。 |
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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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"──吐き気がするだろう、息苦しいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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ミハル 「──おいたは、ダーメ」 |

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なにも思い出せない。 |
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ミハル 「おっとと……」 |
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ミハル 「のりが悪いなあ」 |
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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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"──それでもまだ誤魔化すのか、それでもまだ生きるのか?" "さあ、早く死んでしまえ!!" |
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ミハル 「助けてと望めば、お前は助けてくれるのかな」 |
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ミロワール 「…さすがに見えてるよ。」 |

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アナタの声も。アナタの顔も。アナタと過ごした時間も。 ぜんぶ、ぜんぶ、雨にとけてしまったんだ。 |
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今日もこうして、わたしは誰かの面を被る。 ──それが、いったいだれの面だったのかも、わからないまま。 |

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忘れて、忘れて、忘れてしまって、 やがて己の姿を見失っても、それでも生き続ける。 |

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ミハル 「助けてと望めば、お前は助けてくれるのかな」 |
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愛さなければ。愛さなければ。愛さなければ。 愛さなければ! |

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きっとわたしは、今日の天気も忘れるのだろう。 |

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愛さなければ。愛さなければ。愛さなければ。 愛さなければ! |

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── あなたの足元から、泥の腕が数多伸びる。 |
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ミハル 「助けてと望めば、お前は助けてくれるのかな」 |

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なにも思い出せない。 |
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ミハル 「おっと。危ない、危ない」 |
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ミハル 「今の結構自信あったのになあ」 |
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ミハル 「助けてと望めば、お前は助けてくれるのかな」 |
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ミハル 「運が味方してくれたようだ」 |
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ミハル 「次は当てちゃいますからね~?」 |
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今日もこうして、わたしは誰かの面を被る。 ──それが、いったいだれの面だったのかも、わからないまま。 |

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生きている限り、わたしは生を諦めない。 |

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愛さなければ。愛さなければ。愛さなければ。 愛さなければ! |

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戦ってくれ。抗ってくれ。憤ってくれ。憎んでくれ。 逃れてくれ。苦しんでくれ。恐れてくれ。嘆いてくれ。 お前たちを愛している。 |

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愛さなければ。愛さなければ。愛さなければ。 愛さなければ! |

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愛している。 例えこの世の誰にも認められずとも。 |

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ミハル 「まだ立てるかなあ?」 |
| ミロワールのカード発動! |
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ミロワール 「つつ……ったく離脱するかぁ。」 |
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0 0 0 9 0 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
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ミハル 「それでは、守りたいものも守れませんよ?」 |

