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土を巻き上げながら地を褐色の根が割り、 空を覆いながら幹が伸び、そこは見る間に森となる。 |
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《獣交じりか? あの否定の世界にも、いくらかはいたものだがな》 |
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「うわっ?! いきなり木がたくさん生えてきた?!!」 |
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突如 眼前に現れた木々に驚く犬の少年。 |
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「あ~☆ その木…というか森が今回の決闘のお相手さんみたいだね~♪」 |
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手早く『Cross+Rose』で情報を検索した狐が、のほほんと告げる。 |
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「え… 森が決闘の相手なの?」 |
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「そうだよ☆ その森さん、お話することもできるみたい♪」 |
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「アンジニティの住人で、侵略者で、話すこともできるの? 森が?」 |
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「そうだよ~☆ まぁ、ハザマだし♪」 |
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「……うん、ハザマだもんね!」 |
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犬の少年は、無理矢理納得して『そこにある森』に対峙する。 |
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「でも、気をつけて。その森さん、イバラシティを侵略しようとする意図は強いみたい。 意図…というか、生存本能…生きる意志みたいなものかもしれないけれど…」 |
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「何が相手だとしても、僕はイバラシティを護るだけだよ!」 |
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《街のものどもに、きさまのような見てくれのものもさしているはずもない。 それにしては、不似合いな眼をしているな》 |
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《まるであの街に生まれたもののような目だ。 己があの街のために戦うことを、心より信じて疑わぬものの》 |
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《犬として、あの街でよほど良い主人でも得たか? まさかそこの狐がその正体というわけではあるまいが》 |
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《どうであるにせよ、その意志に応じんわけにはいかんな。 否定の世界より来たりし侵略者たるものとして、そしておれ自身の意志において》 |
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《牙を剥き出し、唸りを上げて、今にも飛びかからんとする。 己のうちで巡らすものの戦意も好ましいが、 隠すもののないそれもまた滾るというものよ》 |


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前触れなく出でてその脚を阻む無数の茂み。 |
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木々の茂りゆくにつれて、足元へ落ちる影は濃く、目前を阻む闇は深く。 |

| ラスのカード発動! |
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\きらーん☆/ |

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木々の茂りゆくにつれて、足元へ落ちる影は濃く、目前を阻む闇は深く。 |
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開いた傷のうちから、溢れる金色。甘い爛熟の香りが鼻をつく。 |
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傷口へ針じみて差し込む、今やひどく遠い光。 |
| 森のカード発動! |
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育ち広がりゆく木々はおのずから張り裂けて、なお止まらずに。 |

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見る間に芽吹く。蘇る。傷を過去へと埋めてゆく。 |

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《その脚さえなければ、いくらかは許そうものをな》 |
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育ち広がりゆく木々はおのずから張り裂けて、なお止まらずに。 |
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育ち広がりゆく木々はおのずから張り裂けて、なお止まらずに。 |



| ラスのカード発動! |
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見る間に芽吹く。蘇る。傷を過去へと埋めてゆく。 |


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《それでこそ追い甲斐があるとも》 |
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《己の力量を悟るがいい!》 |
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《逃げ場ごと壊せば構わんな?》 |
| ラスのカード発動! |


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《これを見せねば一太刀さえ届かんか! 振るうに何の不足もあるはずはないな、その目に焼き付けるがいい!!》 |
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声とともに。百の腕を伸べるように。千の掌を開くように。 爆ぜるように茂る枝葉が、瞬く間に空を覆い尽くす!! |

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加速に加速を重ねて育ち続けていた木々が、軛かれるようにぴたりとその成長を止める。 褪せぬ深緑とまぼろしの光が形作るは、あるはずもない永遠の夏。 |
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《来るがいい、機は十二分に熟しているとも!!》 |
| 森のカード発動! |
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遠く聞こえる風切り音は一瞬のうちに距離を詰め、 見上げた空に、五本杭! |


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握り込んで一息に振り抜く。 |

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《まだ終わるには早すぎるな》 |
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《逃げ場ごと壊せば構わんな?》 |


| ラスのカード発動! |
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《それでこそ追い甲斐があるとも》 |


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《逃げ場ごと壊せば構わんな?》 |
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《逃げ場ごと壊せば構わんな?》 |
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《己の力量を悟るがいい!》 |
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握り込んで一息に振り抜く。 |
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「くっ… いまは、まだ敵わなくても…僕は、諦めません。絶対にこの街を守ります。 貴方に、立ちはだかります。何度でもッ!!」 |
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勝敗が決したことを察した少年は、揺るがぬ決意で繁茂する森を睨み… |
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火 水 風 地 光 闇 |
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《ずいぶんと手こずらせてくれるものだ。 あのようなものが、未だおれと引き合わされずに残っていたとはな。 いったい今の今までどこで何をしていたのやら》 |
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《幾度でも立ち向かうというならば、そうしてみせるがいい。 おれもまた、いくらでも立ちはだかり立ち上がるがゆえにな》 |
