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リヨ 「…………」 |

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《なんだ、これは? あの街でもこのハザマでも、奇矯なものをずいぶんと見たと思ったが。 まだこんなものに出会おうとはな》 |
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《速さも唸りの上げようも、あの街の車を思わんでもないが》 |
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《それにしたところで、けた違いとはこのことか。 きさまどもふたつと、車の何十と通る響きとがさして変わらんとはな》 |
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《重機、……と、いったか? いや、あれでもない。あれの上が、まだあの街にあったか》 |
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《あれどもに近しいものに。 この侵略が成就せずして、おれの触れる日が訪れようとはな。 ならば先んじて、試してみるも悪くはない》 |
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《きさまどものような鉄の塊が、どれほどの力を込めれば潰せるかを!!》 |
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光の粒が漂う。 |


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胸の空洞の中、赤い糸に繋がれて脈打つ種。 |

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――そこから芽吹く。 伸びて、広がって、花が咲いて、散る。 花びらはふわりと浮かび、辺りを漂って、 伸びきった枝は空気にほどけて、光の粒になる。 そうして、また胸の空洞から、枝が伸びる。 それを繰り返している。 |

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花びらが、枝が、淡く輝いてこの場所を照らす。 熱く、触れるものを焦がす光。 見るとどこか苦しくなるような。 |



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槍の如くに研ぎ澄ます。 |
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剣のように抜き放つ。 |
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槍の如くに研ぎ澄ます。 |
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ぽっかりとあいた胸の空洞から、枝が伸びる。 広がる。根を張るように地面にも下ろす。 光を探して、生きるための栄養を探して。 |


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森を成す樹のいくらかが見る間に朽ち落ちて、 瞬きの間にその場の土へ。 |
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森を成す樹のいくらかが見る間に朽ち落ちて、 瞬きの間にその場の土へ。 |
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覆い尽くされた空に輝く星にも似た光は何をも導かない。 |
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腕に、足に、体に、枝が巻き付く。 |

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花吹雪。 |

| リヨのカード発動! |
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朽ち果て力尽きる前に、杯を掲げよう。 |
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羽根のように、なにかを求めるように、心臓を縛るかのように。 |

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焼け落ちた木々の灰を糧として、 なお新たな緑は芽吹き続けている。 |
| 森のカード発動! |

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《内を裂いてみれば火の気まみれか。なれば燃える間もなく一瞬で潰してくれよう。 その目に焼き付けるがいい、火よりも明く!!》 |
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芽吹く。止まらず、そのままに枝を伸べて葉を広げる。 |
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その果てに盛夏の一時がやってくる。 森がもっとも威容を誇るその一瞬にして、 あの街にある永遠の夏。 |
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茂った木々のどれもにぎらつく魔晶の煌めき。 |
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分厚い鉄板を紙のように引き裂く。 |
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砲と洞が向かい合って瞬間、放つは殺意ひとつ。 |
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枝がこどもに巻き付いて、こどもから芽生えて、光を纏う。 |



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緑は褪せず、なお明るく。あるはずもない光を返してきらめく。 まるでこのハザマに、太陽の差すかのようにまばゆく。 |
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いくつもの残光をなびかせて木々の繰り出す目にも止まらぬ連撃。 |
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分厚い鉄板を紙のように引き裂く。 |
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花びらがこどもに集まる。 |

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火 水 風 地 光 闇 |
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《ふむ? これども、中に人もなく動いていたか。 実につまらんものよな。 もし中のものがあったのなら、その逃げ惑うさまをあざ笑ってやったものを》 |
