
どろどろ歌劇団
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立ちはだかるもの
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ミハル 「……」 |
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ミハル 「オレ、ここが実家だった気がする……」 ※ちがいます。 |
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ミハル 「やれやれ……。 同じ化けの皮を被った者同士、仲良くできないかなあ。 それとも、オレとお前らじゃ違うのでしょうか。 ねえ?」 |

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「こんな時に飲んでる場合か? しかもまた混雑してんなァ……現世のストレスでも溜まってんのかね。」 |
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「息まいてかっ食らうのも悪くはねェが、体の為にも程々にな。 こういうモンは、嗜むくらいが丁度いいと思うぜ。」 |

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みづち 「狐……おきつねさま、ってことなのかなあ。」 |
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みづち 「似たもの同士、みたいな感じだし、 仲良くできたらいいんだけど……だめそう。 一緒に宴会したら、仲間に入れてくれたり……しないよねえ。」 |
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みづち 「ーーじゃあ、がんばらなきゃ。」 |

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狐面の男 「・・・・・・・・・」 |

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狐面の男 「・・・・・・・・・」 |

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狐面の男 「・・・・・・・・・」 |

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狐面の女 「・・・・・・・・・」 |

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狐面の女 「・・・・・・・・・」 |

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狐面の女 「・・・・・・・・・」 |

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『 ? 』 |
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『――――!!』 『――――――――!!』 |

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ミハル 「ぅ、……ぐッ……」 |
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──花の香りは掻き消えて、泥のにおいに満ちていく。 忌まわしき泥が、苗床から ずるり、ずるり と零れていく。 |

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そいつの足元が、水に打たれたかのように揺らぐ。 ── ぐぽり と空気を吐き出して、泥の触手が現れた。 肉のような質感を伴う泥は、体に浮かべた数多の眼玉を ギョロリ、ギョロリ と転がして、敵意ある獲物を認めた。 |

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ミハル 「ぜんぶ、……ぜんぶ、泥を被せて、隠しましょう。 いつもどおり。ふだんどおり。いままでどおり。 何食わぬ顔をして、当たり前の平穏を生きましょう。 大丈夫。ばれやしないさ。だって覚えていないもの。 悲劇も、不幸も、時間もなにも、お花で飾れば気にならない」 |

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――鳴り響く。 不快なブザーの音。 |




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火 水 風 地 光 闇 |
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狐面の女 「(団扇を煽いで、踊る踊る・・・)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(周囲で焔が舞い踊る・・・)」 |
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愛さなければ。愛さなければ。愛さなければ。 愛さなければ! |

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"──生きるのは苦痛だろう、逃れたいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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泥の仮面がとけていく。 のどから剥がれて、だれかの声が失われていく。 ……最初は、声からだという。 |
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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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"──それでもまだ誤魔化すのか、それでもまだ生きるのか?" "さあ、早く死んでしまえ!!" |
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わたしはちゃんと、演じられているだろうか。 |
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この物語の終焉は、幸福に満ちている。 |

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"──それでもまだ誤魔化すのか、それでもまだ生きるのか?" "さあ、早く死んでしまえ!!" |
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アナタの声も。アナタの顔も。アナタと過ごした時間も。 ぜんぶ、ぜんぶ、雨にとけてしまったんだ。 |
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でろり。影より這い出るピンク色―― |

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ずしーん… ずしーん… ゴゴ…ッ |
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――男の影がブレる。 |
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『 ―――――!!』 |
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狐面の男 「(狐面が不敵な笑みを浮かべたような気がした)」 |
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狐面の男 「(突然の斬撃)」 |
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狐面の男 「(ゆらりと揺れて、踊る踊る・・・)」 |
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狐面の男 「(狐面が不敵な笑みを浮かべたような気がした)」 |
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狐面の男 「(突然の斬撃)」 |
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狐面の男 「(ゆらりと揺れて、踊る踊る・・・)」 |
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狐面の男 「(狐面が不敵な笑みを浮かべたような気がした)」 |
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狐面の男 「(突然の斬撃)」 |
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狐面の男 「(ゆらりと揺れて、踊る踊る・・・)」 |
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ミハル 「あちゃ。ううん、オレ、がんばれるかなあ」 |
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それは誰の影だったか。 |
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みづち 「えっ……やだ、やだよ……!」 |



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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(提灯の赤が強まり燃える)」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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ミハル 「運が味方してくれたようだ」 |
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狐面の女 「(提灯の赤が強まり燃える)」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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狐面の女 「(団扇を煽いで、踊る踊る・・・)」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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狐面の女 「(団扇を煽いで、踊る踊る・・・)」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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みづち 「大丈夫。当たらない。」 |
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今日もこうして、わたしは誰かの面を被る。 ──それが、いったいだれの面だったのかも、わからないまま。 |

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そいつの世界は、ばけものに満ちていた。 |

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ミハル 「お? イイトコ入りました? カラフルおにーさーん。褒めてくださあい」 |
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わたしはこの世界に生きており、彼らもまた生きている。 なれば、例えどれだけ相容れなくとも、協調しなければならない。 |
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この世界で生きることを選んだのならば。 |

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どれだけ花を纏ったところで、わたしはお前になれやしない。 |
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ミハル 「あとちょっとだっと思ったんだけど」 |
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ミハル 「次は当てちゃいますからね~?」 |
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ミハル 「ありゃ。今の避けちゃうんだ……」 |
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みづち 「ありがとう。これでまだ頑張れる……!」 |
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みづち 「ありがとう。これでまだ頑張れる……!」 |
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ミハル 「オレのことは気になさらなくていいんですよ」 |
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――――!! ――――!! |
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狐面の女 「・・・・・・・・・」 |



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「危ねェなぁ……」 |
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この物語の終焉は、幸福に満ちている。 |

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"──恐ろしいだろう、さみしいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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なにも思い出せない。 |
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わたしはこの世界に生きており、彼らもまた生きている。 なれば、例えどれだけ相容れなくとも、協調しなければならない。 |
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この世界で生きることを選んだのならば。 |

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"──生きるのは苦痛だろう、逃れたいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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なにも思い出せない。 |
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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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"──吐き気がするだろう、息苦しいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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どうして、この頬は濡れているのだろう。 |
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『 ―――――!!』 |
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狐面の男 「(ゆらりと揺れて、踊る踊る・・・)」 |
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狐面の男 「(風を切る、灯りが揺れる・・・)」 |
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狐面の男 「(風を切る、灯りが揺れる・・・)」 |
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尾先の闇が、ぞわりと蠢く。 それは個別に意志を持つように動き、 それでいて生物ではないかのように流動的に形を変える。 |
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やがてそこには、竜とは別の、ひとつの存在がいた。 |

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ぱちぱち…… ぱちぱち…… |
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ミハル 「あちゃ。ううん、オレ、がんばれるかなあ」 |
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そうして時が過ぎる。 |
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みづち 「えっ……やだ、やだよ……!」 |



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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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狐面の女 「(離れて様子を見ている)」 |
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わたしはこの世界に生きており、彼らもまた生きている。 なれば、例えどれだけ相容れなくとも、協調しなければならない。 |
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この世界で生きることを選んだのならば。 |

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"──生きるのは苦痛だろう、逃れたいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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わたしはちゃんと、演じられているだろうか。 |
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わたしはこの世界に生きており、彼らもまた生きている。 なれば、例えどれだけ相容れなくとも、協調しなければならない。 |
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この世界で生きることを選んだのならば。 |

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なにも思い出せない。 |
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わたしはこの世界に生きており、彼らもまた生きている。 なれば、例えどれだけ相容れなくとも、協調しなければならない。 |
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この世界で生きることを選んだのならば。 |

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眼。目。め。め。 めめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ めめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ めめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ。 |
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――――!! ――――!! |
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ウサギが首をかしげた。 |
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――――!! ――――!! |
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狐面の男 「(風を切る、灯りが揺れる・・・)」 |
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狐面の男 「(風を切る、灯りが揺れる・・・)」 |



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狐面の女 「(提灯の赤が強まり燃える)」 |
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狐面の女 「(団扇を煽いで、踊る踊る・・・)」 |
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わたしはこの世界に生きており、彼らもまた生きている。 なれば、例えどれだけ相容れなくとも、協調しなければならない。 |
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この世界で生きることを選んだのならば。 |

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ヒトを象る。ヒトを象る。ヒトを象る。ヒトを象る。 |
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ミハル 「手ごたえありですねえ。 竜さあん。食べます?」 |
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この物語の終焉は、幸福に満ちている。 |

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眼。目。め。め。 めめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ めめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ めめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめめ。 |
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ミハル 「お? イイトコ入りました? カラフルおにーさーん。褒めてくださあい」 |
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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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ヒトをヒトヒト象ヒ象象トヒト象る象るヒト象るヒトをヒトをヒトををを 象ヒトるヒト象をヒトをヒト象ヒトヒトヒト象ヒトを象ををヒトるヒトヒト ヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトをヒト?ヒトヒト象象ヒトがわからない |
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ミハル 「お? イイトコ入りました? カラフルおにーさーん。褒めてくださあい」 |
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ミハル 「手ごたえありですねえ。 竜さあん。食べます?」 |
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狐面の男 「(風を切る、灯りが揺れる・・・)」 |
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狐面の男 「・・・・・・・・・」 |
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狐面の女 「・・・・・・・・・」 |
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狐面の女 「・・・・・・・・・」 |

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この物語の終焉は、幸福に満ちている。 |

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愛している。 例えこの世の誰にも認められずとも。 |

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ミハル 「手ごたえありですねえ。 竜さあん。食べます?」 |
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ミハル 「手ごたえありですねえ。 竜さあん。食べます?」 |
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どうして、この頬は濡れているのだろう。 |
| 泥被る造花のカード発動! |
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♪『ひとっつ東に卑怯者』 『ふたつ深い、絶望の底』 『みっつ惨めに這いずり回って …』 『あら?わたしを呼ぶのはだあれっ?だれかしら! 』 |

| 泥被る造花のカード発動! |
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嬉野聖 「あの街の記憶……」 |
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この物語の終焉は、幸福に満ちている。 |

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── 相手の足元から、泥の腕が数多伸びる。 |
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ふえる。 ふえる。 |
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――――!! ――――!! |
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狐面の男 「(ゆらりと揺れて、踊る踊る・・・)」 |
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狐面の男 「(風を切る、灯りが揺れる・・・)」 |
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狐面の男 「・・・・・・・・・」 |
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狐面の男 「・・・・・・・・・」 |
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4 1 0 2 0 2 |
1 2 0 0 2 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 3 1 0 1 1 |
7 0 0 0 0 0 |
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ミハル 「残念でした。狐面対決、オレの勝ちですね?」 |

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「どうだ、うまいモンでも見つかったか? 食う時は気を付けろよ、異界のモンは食うと戻れねェつーしな。」 |

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みづち 「ううん……なんか、なんかちょっとだけ、切ない感じ。」 |
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みづち 「別の形で出会いたかったなぁ……」 |
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