

![]() |
紫明 「さぁ進め、成就の為に。」 |

![]() |
遠目には、きっと周囲と変わりない建造物。 歪に組み合わさったそれが、景色に溶け込みながら"敵"を取り囲む。 ――その内側にオレはいた。 |

![]() |
―――花が、散っては咲いて、散っていく。 |
![]() |
種を、蒔く。その種が咲かせる花が、自分と同じとは限らずとも。 |
![]() |
目的の為なら、どれだけ罪のない防衛者を害したとしても、鬼が手を緩めることはないだろう。 鬼がいきたい場所は、目的とする場所は、あのイバラシティでもアンジニティでも、勿論このハザマでもない。 かといって、どこにもいたくないわけでもない。 |
![]() |
――咲かせたいのは、紫明椿の花じゃない。 |
![]() |
オレにとって、熊谷紫明が唯一無二の友人だとか、そんなことはなかった。 |

![]() |
こいつのためなら命を張れるとか、あの街にいたオレが迷いなく言えるとは思わない。 |

![]() |
きっとよく知った仲ということもない。例えば……あいつの進路を知らないな。 もう卒業した頃だと思うが。 オレは大学のことは話した気がするが、何を勉強してるかとか話したことはない。 あいつも興味ないだろう。 知っているのは、紫明は真夜中に心霊スポットに呼び出しても全くビビらないことくらいだ。少しはビビれよ。 |
![]() |
でも、そういうもんだっていいだろ。 別に、劇的な、強固な繋がりだけしか大事に思っちゃいけない訳じゃないだろ。 |



![]() |
「オレだって別に、あの街での生活が全部楽しかったわけじゃねえよ!」 |

![]() |
「何か起きないかって期待してても、オレの周りじゃ何もねえ……」 |
| 街喰らいのカード発動! |
![]() |
『あたった!』 子供の声だ。 『あげるよ!もうおれ十分だからさ』 |
![]() |
紫明 「悪くない」 |

![]() |
「……いや、何かあったって、何もできなかった! 何も成し遂げられない……ここにいる、死んだ奴らと一緒で! そんな毎日でも……、オレは、」 |

![]() |
紫明 「終わりか?」 |
![]() |
「チッ……!」 建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |

![]() |
直したり治したり――そういうことができる人間を"連れてくる"。 それだけだ。できることは。 「このッ……くたばるなよ!」 |
![]() |
身代わりのように、ボロボロの標識が飛び出す。 |
![]() |
紫明 「人心地」 |
![]() |
……足音が聞こえる。 いつかどこかで死んでしまった人間が、走り回る音。 |
![]() |
「もういーかい!」 「まーだだよ!」 「もういいよ!」 「まだぁ~!」 |
![]() |
「ふつ~に逃げ切ってやらぁ!」 |

![]() |
「チッ……!」 建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |
![]() |
「みつけた!!!」 |

![]() |
紫明 「終わりか?」 |
![]() |
「チッ……!」 建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |
![]() |
「そこだ!」 |
![]() |
紫明 「どこを狙ってるんだ熊谷に当たったらどうしてくれる?」 |



![]() |
鬼には、目的があるのだ。 |
![]() |
紫明 「次は当てよう」 |
![]() |
直したり治したり――そういうことができる人間を"連れてくる"。 それだけだ。できることは。 「このッ……くたばるなよ!」 |
![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
「みつけた!!!」 |

![]() |
鬼には、目的があるのだ。 |
![]() |
紫明 「終わりか?」 |
![]() |
「チッ……!」 建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |
![]() |
「そこだ!」 |

![]() |
鬼には、目的があるのだ。 |
![]() |
「チッ……!」 建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |
![]() |
エイキ 「オレは、何回オレが消えたって、また戻ってくる度にやっぱり壊していいとは思えねぇ! 抵抗してた奴らだってきっとそうだろ……!何でもないモンだって、奪われたくねえよ!」 「なあ、この化け物は多分奪う必要なんかねえんだよ……止められやしないけどさぁ! お前はどうなんだ!?他に何か方法がある目的じゃないのかよ!?」 |
![]() |
「つ~~~かまえた!」 |
![]() |
「つ~~~かまえた!」 |



![]() |
「チッ……!」 建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |
![]() |
「つ~~~かまえた!」 |
| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 1 1 0 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 1 1 1 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
||||||||
| ![]() |
|||||||||||||
| ![]() |
|||||||||||||
| ![]() |
|||||||||||||
![]() |
紫明 「こんなところで邪魔されるわけにはいかないんだよ、俺も。」 |
![]() |
「検体の観察を終了。試行25回目を開始します」 |
![]() |
突き立ったスピーカーからぶつ切りの、 合成したような、 しかし雑音はない音声が流れた直後、 |
![]() |
街は元通り、誰の姿も声も見えないいつもの姿で、 次の"敵"へ向かって、移動を始めた。 |
![]() |
キーンコーンカーンコーン…… 「あっやべ!」 「休み時間終わってた!」 「まってよ~」 「急げ!遅刻!」 |
