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「にぃ……んんぅ……」 ここのところ暫く何もしなくてよかったのに、蚊が鬱陶しくて寝てられなくなった。 |
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遠目には、きっと周囲と変わりない建造物。 歪に組み合わさったそれが、景色に溶け込みながら"敵"を取り囲む。 ――その内側にオレはいた。 |

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街に喰われないように、走って走って―― きっとオレは今、逃げ切れなかったんだ。 この数時間で、まずオレが紫明のいる場所に行くって事は明白だったんだろう。 |

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気づけば、周囲にはいくつもの人影が存在した。 いつものように疎らに街中をうろついていない。 集まっている十八人は、笑っている。どれも笑っている。 話しかけようとも思わない。 彼らは――いつかの夢と同じだ。 |

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オレの声に答えることもない、人の形を保っただけの……残骸。 彼らにオレの声は届かない。 オレと同じようにこの場所にいても、何も通じることはない。 一方的にこちらが知れるばかりで。 だから彼らが彼らの意思でオレを認識して、来たわけではないと思う。 |
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それなのに口々に話し始める。好き勝手、別々の話だ。 いつものように"感じ取れないほど大量の情報を押し込まれて"、"否応なしに弄くり回される"感覚とは違ったが。 |
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その”思い出話”はただ耳を通り過ぎるだけの音ではなく。 語られる言葉の全部が混ぜられ今見て居ると錯覚 |
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重ね合うような、身に覚えのある"思い出"もそこに混じっていて、 |



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蚊よりも速ければいい。多分そう。 |
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叫ぶ。 う る さ い ! 『ビーーーーー』 |
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言葉は言葉にならない。 スピーカーが迷惑にも大音量でノイズを発するだけだ。 |

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貴方の攻撃の余波で毛並みが乱れるのが見える。 |
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巨体のくせに軽やかに地を跳ねる。 |
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蚊よりも速ければいい。多分そう。 |
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叫ぶ。 う る さ い ! 『ビーーーーー』 |
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言葉は言葉にならない。 スピーカーが迷惑にも大音量でノイズを発するだけだ。 |

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貴方の攻撃の余波で毛並みが乱れるのが見える。 |
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巨体のくせに軽やかに地を跳ねる。 |
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「なぁお」 猫は、頑張れとでも言わんばかりに一声鳴くのだ。 |
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何がしたいんだ。 これは自分たちのものだと、主張でもしたいのか? そんな――そんなこと知るか!! |


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身代わりのように、ボロボロの標識が飛び出す。 |
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何がしたいんだ。 これは自分たちのものだと、主張でもしたいのか? そんな――そんなこと知るか!! |
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叫ぶ。 う る さ い ! 『ビーーーーー』 |
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言葉は言葉にならない。 スピーカーが迷惑にも大音量でノイズを発するだけだ。 |

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身代わりのように、ボロボロの標識が飛び出す。 |
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身代わりのように、ボロボロの標識が飛び出す。 |
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叫ぶ。 う る さ い ! 『ビーーーーー』 |
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言葉は言葉にならない。 スピーカーが迷惑にも大音量でノイズを発するだけだ。 |

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身代わりのように、ボロボロの標識が飛び出す。 |
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建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |

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叫ぶ。 う る さ い ! 『ビーーーーー』 |
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言葉は言葉にならない。 スピーカーが迷惑にも大音量でノイズを発するだけだ。 |

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巨体のくせに軽やかに地を跳ねる。 |
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貴方の攻撃の余波で毛並みが乱れるのが見える。 |
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建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |
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暴れて暴れて、それでもこの街に実際に与える影響など微々たるものだ。 それくらいで、ただ黙ってやられるだけだと思うか! 『ザーーーーーーッ、ーーーーーーーー』 オレの、全部は、オレのものだ! 『ボッ……--バ……ーーーー』 |

| 街喰らいのカード発動! |
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『あたった!』 子供の声だ。 『あげるよ!もうおれ十分だからさ』 |

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貴方の攻撃の余波で毛並みが乱れるのが見える。 |
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「にゃう……ふしゅ、」 猫は、そろそろ蚊が鬱陶しい。 |
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建物の一つが不自然に折れ、落下する。 |

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巨体のくせに軽やかに地を跳ねる。 |
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巨体のくせに軽やかに地を跳ねる。 |
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この蚊ども! 邪魔するな! 『サーーーーーーーーー』 |
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貴方の攻撃の余波で毛並みが乱れるのが見える。 |



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この蚊ども! 邪魔するな! 『サーーーーーーーーー』 |
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『帰れ !』 |
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巨体のくせに軽やかに地を跳ねる。 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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終わったぞ、と言わんばかりに椿の鬼をつつきに行った。 |
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終わりだ。もう周囲にあった人影はない。 結局何が原因で、あるいは何の目的でいつもと違う事が起きたのかは分からない。 なんだって、どうだっていい! オレは、 まだここに 「ピ――、ザザッ、------r------こk--------n----iーーーー」 |
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「不明の障害を解消。試行21回目を開始します」 |
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突き立ったスピーカーからぶつ切りの、 合成したような、 しかし雑音はない音声が流れた直後、 |
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街は元通り、誰の姿も見えないいつもの姿で、 次の"敵"へ向かって、移動を始めた。 |
