

![]() |
雫 「さて…と ろくに準備も出来ない状態からの2対1は流石に難しいかしら …しかもあれって龍でしょう?テレビゲームじゃないんだから勘弁してよ 今のうちに隙を見て逃げる算段も、ある程度付けておかないといけないわね」 |
![]() |
"Cloak Room, Pick up." |

![]() |
土を巻き上げながら地を褐色の根が割り、 空を覆いながら幹が伸び、そこは見る間に森となる。 |
![]() |
《あの街の女子供はあまた見てきたが、 きさまのようなものは、このハザマではずいぶん珍しい》 |
![]() |
《何を余所見をしている? その光…… ああ、このハザマに与えられたあの幻術か?》 |
![]() |
《この地を空遠く鳥の目より見て、他のものどもと距離を問わずに言葉を交わす。 あの光にあるそれ以外の何かなど、おれは知らん。気にしたこともない》 |
![]() |
《この場に至れば、そのようなものに何の利もありはしないがゆえに。 いまここで相対しているものを知るために、 目の前を見るより上の手段があるとでも?》 |
![]() |
《さあ。顔を上げ、そしてその目に焼き付けるがいい。 このおれがいかに動き、語り、戦うか!!》 |
![]() |
"Cloak Room, Pick up." |
![]() |
声掛けに応えるようにして薄暗い光が足元に湧く。 溶けるような青が、薄く周囲を照らした。 |
![]() |
チリチリと何処からか音がして、その元を辿ってみれば、 いくつもの小さい金属板が押し出されるようにして空間から湧いて出ている。 その内のいくつかを選び、指先に絡め、更に何処かへと声を掛けた。 |
![]() |
雫 「No.7 Gleb Melnikov, No.32 Emma Robinson, No.64 Tomoki Miura, No.65 Masataka Tojo,」 見れば、板には確かに"7"、"32"、"64"、"65"と それぞれに数字が彫られている。 |

![]() |
硬い4つの音がして、足元を見ればそこには大小の4つのケースがいつの間に在る。 |
![]() |
手慣れた手付きで装填を終える。 |
![]() |
他のケースからも次々と武器や補給物資が姿を現した。 |
![]() |
雫 「……ただ火をつけて焼き払えばいい……って訳じゃあなさそうね」 |


![]() |
叫んだきり、どこから聞こえているのかもわからない声はふっと口をつぐんで。 無言のままに向けるのは、数え切れぬ視線の凝視。 |
![]() |
雫 「本来あたしの戦い方って、準備に準備を重ねた上で圧倒的物量でゴリ押し …って感じなんだけど、ここじゃあそれも出来ないのよね 本当、嫌になるわ」 |

![]() |
地はひとりでに割れ、空には無言の暗雲が立ち込める。 |
![]() |
雫 「それでも最低限の装備はあるんだから、これでチマチマやっていくしかないって訳」 |

![]() |
かつて木々をあまた手折ってきたものが。 |
![]() |
《己の力量を悟るがいい!》 |
![]() |
硬い物音と共に新たなケースが出現する。 中には補給物資が入っている。 |
| 雫のカード発動! |
![]() |
(癒しだ…) |
![]() |
雫 「さあ行くわよ、痛い目見たくなかったら構えなさい!」 |

![]() |
雫 「武器を変えるか…」 |
![]() |
雫 「鼠が…ちょこまかと…っ!」 |
![]() |
雫 「武器を変えるか…」 |

![]() |
雫 「ああそれでも、渇く… 渇いて、渇いて、堪らない…」 |
![]() |
迷いなくその身体へ振り下ろす。 |
![]() |
《己の力量を悟るがいい!》 |
![]() |
雫 「…………」 |
![]() |
シーク 「めっ」 |
![]() |
雫 「くそ…酷い気分だわ 死んでしまいたい程に酷い気分よ 最悪ね」 |
| 雫のカード発動! |
![]() |
微かな花の香りが漂う── |

![]() |
雫 「駄目よ!まだ終わらせないわよ…続行、続行、続行、続行!続行!!続行!!! 影響値が要るのよ、こんな所で倒れてたまるか!!!」 |
![]() |
雫 「悪いわね ここらが潮時、引かせて貰うわ」 |
| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 2 0 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 0 2 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
||||||||
![]() |
| |||||||||||||
![]() |
《ふむ。なにをそれほどに焦る? おれもいくらか、急きはしたがな。きさまのそれはおれの比でない。 手負いの。いや、囚われの獣といった風だな》 |
![]() |
《だとしても、焦ったならば焦ったなりのやり方があるとも。 それが分からんかぎり、得られるのは敗北の味のみよ。 きさまが何を求めようともな》 |
