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「………………」 |
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ミハル 「はて、さて……。 お手柔らかにお願いしますね」 |
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── 泥のにおいがする。 |

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悲劇を呪え。不幸を恨め。敵を憎め。絶望を孕め。 |
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平穏を尊べ。幸福を望め。隣人を愛せ。希望を抱け。 |

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戦え。愛しき者どもよ。 抗え。愛しき者どもよ。 |
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愛しきその心を以て、運命を跪かせろ。 |

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其れこそ、わたしが世界に仇成す理由である。 |

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「………………」 |
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「………………」 |


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そいつの足元の泥が隆起し、肉のような腕を模す。 |

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「………………」 |
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「………………」 |

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そいつ世界は、ばけものに満ちていた。 |

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"──吐き気がするだろう、息苦しいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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ミハル 「次は当てちゃいますからね~?」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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ミハル 「運が味方してくれたようだ」 |
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ミハル 「おっと。危ない、危ない」 |
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「………………」 |
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ミハル 「おっとと……」 |
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「………………」 |
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ミハル 「おっとと……」 |
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「………………」 |
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ミハル 「おっとと……」 |
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「………………」 |

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ミハル 「よければ、こいつとも遊んであげてくれますか? ……さあ、おいで」 |
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──── 泥のにおいがする。 泥のにおいがする。泥のにおいがする。 光も届かぬ泥の底から、腕が伸びる。 |
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それは助けを求める手なのか、 仲間を求める手だったのか、 はたまた。 |

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── あなたの足元が揺らぐ。 |
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「………………」 |
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ミハル 「おっとと……」 |
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「………………」 |

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「………………」 |
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「………………」 |

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── あなたの足元から、泥の腕が数多伸びる。 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |


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──泥にまぎれて掻き消えた、花の薫香。 |

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"──生きるのは苦痛だろう、逃れたいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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「………………」 |
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ミハル 「あとちょっとだっと思ったんだけど」 |

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この物語の終焉は、幸福に満ちている。 |

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── 「 たすけて 」 。 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |

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──泥にまぎれて掻き消えた、花の薫香。 |

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「………………」 |

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ミハル 「今の結構自信あったのになあ」 |
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「………………」 |

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── あなたの足元が揺らぐ。 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |

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「………………」 |
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ミハル 「あとちょっとだっと思ったんだけど」 |
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愛さなければ。愛さなければ。愛さなければ。 愛さなければ! |

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── あなたの足元から、泥の腕が数多伸びる。 |
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泥から出でる人影は、形を成していない。 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |

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わたしはこの世界に生きており、彼らもまた生きている。 なれば、例えどれだけ相容れなくとも、協調しなければならない。 |
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この世界で生きることを選んだのならば。 |

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"──吐き気がするだろう、息苦しいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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ミハル 「ありゃ。今の避けちゃうんだ……」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
| 藤堂透のカード発動! |
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「………………」 |
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「………………」 |

| 泥被る造花のカード発動! |
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「………………」 |
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「………………」 |
| 藤堂透のカード発動! |
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フタバ 「貫く」 |


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── 「 たすけて 」 。 |

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"──生きるのは苦痛だろう、逃れたいだろう。 さあ、早く死ね。" |
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泥から出でる人影は、形を成していない。 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |

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今日もこうして、わたしは誰かの面を被る。 ──それが、いったいだれの面だったのかも、わからないまま。 |

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── あなたの足元から、泥の腕がひとつ伸びる。 |
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その腕の先には、あなたの見知った目があるかもしれないし、 全然見覚えのない人間の声が響いたかもしれない。 …… しかしきっと、気のせいだ。 |
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ミハル 「のりが悪いなあ」 |
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「………………」 |
| 藤堂透のカード発動! |

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── 「 たすけて 」 。 |
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「………………」 |
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ミハル 「あとちょっとだっと思ったんだけど」 |
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泥から、腕が伸びる。 |

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「………………」 |
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「………………」 |
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「………………」 |

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ミハル 「助けてと望めば、お前は助けてくれるのかな」 |
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ミハル 「ありゃ。今の避けちゃうんだ……」 |
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「………………」 |
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「………………」 |


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── 「 たすけて 」 。 |
| 泥被る造花のカード発動! |
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ナガレ 「よく効く三本詰め合わせ」 |
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泥から出でる人影は、形を成していない。 |
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「………………」 |
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「………………」 |
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0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 3 |
火 水 風 地 光 闇 |
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ミハル 「それでは、守りたいものも守れませんよ」 |

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ミハル 「ありがとう。もう帰っていいよ。 ……起こして、ごめんね。ゆっくりおやすみ」 |
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「────……」 男の手が、泥を撫でた。 呼応するように、泥はその輪郭を穏やかに崩していく。 |
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── 馨しい花の香りだけが、ただ、残った。 |
