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りりぃ 「……っ……!!」 【ひと目見ただけで分かる。 ”関わってはいけない存在”。ソレと、出くわしてしまった。 身に纏っている空気に。表情の端々に。命を弄ぶ側の匂いを感じる。】 |
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りりぃ 「き…きぃ君…っ…!!」 【逃げようと。一刻も早く関わることのないように身を隠そうと。 そう告げて。共に逃げるために手を引こうと。 相対すべき相手から目を逸らして清春へと視線を向ける。 カチャカチャと。ガチガチと。周囲に浮かぶ歯が、牙が高鳴る。】 |
| 正面の人影を遠くに見るとりりぃを制するように歩みを止める。 (一見、人のようだけれど…… …!?) |
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ぞくりと背筋が凍るように風が肌をなめ、目を見張ると、そこに黒い羽が舞うのを見た。 瞬間、失われる理性と思考。覚束ない足取りで、しかし真っすぐにその羽が行く方へ向かっていく。 |
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清春 「ぁ……」 |
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ふらふらと、虚ろな目をした少年は、同行者を置き去りに、「敵」であるドーラ・シーラの元へと吸い寄せられていく。 |
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・・ハザマの刻 16:00~17:00・・ 連れ添い歩く犬噛白百合と高宮清春。 その道筋に ――異様な空気が漂う。 青い燐光。寒気のする微風。黒い翼、さそうようにはためく音。 ……清春の足取りに変化が現れる――。 |
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「おいで おいで…いい子ね、おいで。」 「こちらへ、おいで。うふふふ。 あらあら、効いてる。…… やっぱり魔法薬の配合を変えてみたのがよかったのかしら。 ねえダーシャ、こねこ、あなたたちもそう思う~~っ?」 |

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ハザマの大地を踏む黒鉄の音。 暗い諦観を瞳に宿した男が、剣を構える。 |

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魔女はりりぃの方へ眼差しを送る。 |
| 「どうしたの、あなたもおいでなさいな。 二人で永遠に、一緒になりたくはない?魔物のいぶくろの中で。 ……あら、もしかしてあなたには魅了の魔法がきいていない…?」 |
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ちりん、と、髪飾りが鳴る。彼女にかすかにアンジニティの反応がしたような――? |
| 「あなた… もしかして…?それじゃこちらの男の子は… エイド あなたの従者ぉ~?う~ん、と… ちがう?あらあらあらまあまあまぁ… 裏切者っ?それなら――」 |
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手に持ったナイフで清春を突き刺す―― そして突き刺した清春の身体を翼ではじきとばした! |
| シーラ 「たたかわなくっちゃぁなのだわ!」 |

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りりぃ 「…っ!?」 【何が起きたのかわからない。 いや、分かっている。分かっているけれど、分かりたくない。 分かろうとも思えない。 けれど、分からなくちゃだめで。 とにかく、清春くんが、大好きな人がひどいことをされて、傷ついて。 血を流していて。 ひどいことはまだされている最中で、きっとそれは始まったばかりで。】 |
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りりぃ 「……っ……!」 【頭には血が上っていて、頭の中はぐちゃぐちゃで、吸う空気は酸っぱくて、喉はカラカラに乾いていて。火傷がしそうなほどに熱くなった目元を拭うと、”これ以上ひどいことをされてしまわないように”と意識を集中する。 …そのために一緒に戦えるかどうか…清春の様子を、確認する。】 |
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呼吸に肩が上下する。 |
| ダーシャ 「……」 |
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深く吐き出される息。震えるその末尾。 |
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抜身の剣を握り直す——その手はやはり震えている。 |
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返り血を浴びた魔女が。魔物と騎士たちに司令をかける。 |

清春の血が、魔物たちを興奮させ おびき寄せる……! |

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魔女の大鍋から 人型がもりもり生み出される。 |

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早鐘を打つ心を落ち着かせるために深く息を吐く。 |
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(さっきのはいったい…まるで自分がコントロールできなくなって……) |
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(大丈夫だ…背中の傷も、単純な刺し傷だ) 呪いの類や毒はない、と自分に言い聞かせ、全身に力を籠める。 ハザマで強化された肉体を健全に保つ作用が傷を徐々に塞いでいく。 |
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朦朧とした意識の中、一つの衝動だけがあった。 あの腕に抱かれたい、優しく抱き留められて…ひとつになりたい。それ以外の意識は、肉を貫かれる激痛が走るまで完全に手放された。 あげた悲鳴とともに、霞がかった意識は我に返り、今度は驚愕と痛みに支配される。 状況認識もままならないまま、間髪入れず強かに弾き飛ばされ地面を転がされると、赤黒い血の跡が舐めるように地面に残った。 |
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(クソ…クソ…クソッ!!!なんだ今の……何をされた?僕は……) よろよろと立ち上がると、灼けるような傷の痛みに顔をゆがめる。 滲む脂汗を拭い、目の前の女と男をにらみつけ、ぽつりとつぶやく。 |
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清春 「……化け物め…」 |

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清春 「りりぃ、後ろに。合図したら離脱。」 かばうように前に立ち、じりじりと「敵」との距離を開けるように後ずさる。 |
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清春 「……戦わないで済むならそれに越したことはないんだけどな…」 |
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清春 「 だけど、りりぃには指一本触れさせないぞ、来るなら来い!」 |


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魔女の翼がはためく…! |

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―― シーラの塔。 蛮勇の戦士。聡明な魔術師。 それはかつて魔女ドーラ・シーラを討とうとした英雄たちの死骸の山だ。 積み上がった死体は塔のごとく空を目ざす、生暖かい腐臭をはなつ魔物の住処となっている。 |

かつて故郷を、世界を救った英雄たちも、今や名をうばわれ、 戦うべき相手の顔も忘れて 怨鎖の剣を振るう。 |

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| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
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『いけにえは、あの子』 |


クコケケケケ ココッ |



| 0 0 0 0 1 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 1 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 0 0 0 3 |
0 0 0 0 1 0 |
0 0 0 0 0 2 |
||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
| ![]() |
| ||||||||||||||||||
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| |||||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
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| |||||||||||||||||||

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【歯が。牙が。獲物が弱るのを待つ。】 |
| 清春のカード発動! |
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叩き斬る。 |
| シーラ 「こうべを垂れよ」 |
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『いけにえは、あの子』 |


クコケケケケ ココッ |
ギャア ギャア! |




| 0 0 0 0 1 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 2 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 0 0 0 4 |
0 0 0 0 1 0 |
0 0 0 0 0 2 |
||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
| ![]() |
| ||||||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
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| |||||||||||||||||||

| シーラ 「こうべを垂れよ」 |
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『いけにえは、あの子』 |


ズルリ ズルルル… |



| 0 0 0 0 1 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 1 0 0 0 3 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 0 0 0 5 |
0 0 0 0 1 0 |
0 0 0 0 0 2 |
||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
| ![]() |
| ||||||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
| ![]() |
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| |||||||||||||||||
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| |||||||||||||||||||

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【汚れた白い瞬きが迫る。】 |
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ダーシャ 「……。」 |
| ダーシャのカード発動! |
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エルきゅん 「エルビウム・レーザービーーーーーーーーム!!!!」 |

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次の獲物に視線を移す。 |
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叩き斬る。 |
| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
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『いけにえは、あの子』 |

| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |


ギィィーーーーーーーー キッッ |



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【耳元でカチカチと歯が打ち鳴らされる音がした。】 |
| りりぃのカード発動! |
プールサイドに腰掛けた少女。 桃色の髪と白い肌には珠のように雫が滴り、 どこか色気の在る光景を映している…… 「……? えへへっ! そんなに見つめたらめっ、ですよっ!」 |
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懐へ飛び込む。 |
| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |

ギィィーーーーーーーー キッッ |
ズルリ ズルルル… |

![]() |
【汚れた白い瞬きが迫る。】 |
| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |


ズルリ ズルルル… |
ギャア ギャア! |

![]() |
斬りあげる。 |
| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |

クコケケケケ ココッ |
ギャア ギャア! |
| シーラ 「まあ!使えない子!」 |
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一瞥する。緊迫しながら、しかしどこかに安堵の気配が孕まれた。 |

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【歯が。牙が。獲物が弱るのを待つ。】 |
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【風切り音が響いた。】 |

| 悪意の魔女のカード発動! |
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「 」 |
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「 」 |
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「 」 |
金属音。 |
金属音。 |
| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |



| シーラ 「(ごみを見る目だ。)」 |
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一瞥する。緊迫しながら、しかしどこかに安堵の気配が孕まれた。 |


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【耳元でカチカチと歯が打ち鳴らされる音がした。】 |
金属音。 |
![]() |
【風切り音が響いた。】 |
![]() |
【耳元でカチカチと歯が打ち鳴らされる音がした。】 |
金属音。 |
| シーラ 「あらあら…うふふ~。」 |
金属音。 |
金属音。 |
金属音。 |
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突き刺す。 |
| シーラ 「この手を取って」 |
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―――あまい言葉をささやきながら、魔女は錆びたサーベルを振るう! |

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今一度剣を握りなおす。 |
| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |
| シーラ 「この手を取って」 |
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―――あまい言葉をささやきながら、魔女は錆びたサーベルを振るう! |

| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |
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細く長く深い呼吸。 |

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【歯が。牙が。獲物が弱るのを待つ。】 |
金属音。 |
![]() |
次の獲物に視線を移す。 |
| シーラ 「この手を取って」 |
![]() |
―――あまい言葉をささやきながら、魔女は錆びたサーベルを振るう! |

| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |
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細く長く深い呼吸。 |
金属音。 |
金属音。 |
| りりぃのカード発動! |
| ヒナ 「”あなた”の願いを どうか教えて」 |

| ダーシャのカード発動! |
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淡雪 「熱すぎたら御免なさいね」 |
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呼吸を整える。 |

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【歯が。牙が。獲物が弱るのを待つ。】 |
金属音。 |
金属音。 |
![]() |
叩き斬る。 |
| ダーシャのカード発動! |


| 悪意の魔女のカード発動! |

| りりぃのカード発動! |
ドーラ・シーラの声が ひびく |
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【真横を過ぎ去った牙が、じっと対象を再び狙い澄ます。】 |
金属音。 |
ドーラ・シーラの声が ひびく |
金属音。 |
金属音。 |
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叩き斬る。 |
――――ビリリッ カラスの鳴き声に呼応し 空気がしびれる! |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |

金属音。 |
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りりぃ 「…っ…やだ…!!きぃ君…!きぃ君…!!!」 |

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薙ぎ払う。 |
――――ビリリッ カラスの鳴き声に呼応し 空気がしびれる! |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |

| 清春のカード発動! |


金属音。 |
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突き刺す。 |
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『魔法がうたう』 |

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『魔法がうたう』 |

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細く長く深い呼吸。 |

金属音。 |
![]() |
薙ぎ払う。 |
| シーラ 「こうべを垂れよ」 |
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『いけにえは、あの子』 |


![]() |
斬り降ろす。 |


金属音。 |
![]() |
斬り降ろす。 |
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次の獲物に視線を移す。 |
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『魔法がわななく』 |

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『魔法がひかる』 |


金属音。 |
![]() |
斬りあげる。 |
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斬り降ろす。 |
![]() |
次の獲物に視線を移す。 |
![]() |
『魔法がわななく』 |

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『魔法がおどる』 |

| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |



![]() |
斬り降ろす。 |
![]() |
次の獲物に視線を移す。 |
![]() |
『魔法がひかる』 |


金属音。 |
![]() |
斬りあげる。 |
![]() |
『魔法がわななく』 |


金属音。 |
![]() |
薙ぎ払う。 |
![]() |
『魔法がひかる』 |

| シーラ 「そう。そのまま地面にくちづけて。 こうべをたれて許しを乞うの 悪いようにはしないわ」 |
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『魔法がわらう』 |


| 悪意の魔女のカード発動! |

剣が閃く。 |
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次の獲物に視線を移す。 |
| シーラ 「こうべを垂れよ」 |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |



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薙ぎ払う。 |
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『魔法がひかる』 |

| シーラ 「 おいで…わたしのつま先にくちづけるのよ」 |
![]() |
『魔法がひかる』 |


金属音。 |
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薙ぎ払う。 |
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次の獲物に視線を移す。 |
| ダーシャのカード発動! |
![]() |
突き刺す。 |
![]() |
『魔法がひかる』 |

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『魔法がおどる』 |


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懐へ飛び込む。 |
![]() |
『魔法がおどる』 |



――――ビリリッ カラスの鳴き声に呼応し 空気がしびれる! |
![]() |
『いけにえは、あの子』 |

| 清春のカード発動! |

![]() |
懐へ飛び込む。 |
![]() |
『魔法がわななく』 |


![]() |
『魔法がおどる』 |

![]() |
『魔法がひかる』 |

| シーラ 「逃れられはしないものよ」 |
| 0 1 0 0 1 0 |
0 1 0 0 0 0 |
0 3 0 0 1 2 |
火 水 風 地 光 闇 |
2 0 0 0 3 0 |
0 0 0 0 0 9 |
0 0 0 0 0 0 |
||||||||||||||
| ![]() |
| ||||||||||||||||||
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| |||||||||||||||||||
| シーラ 「さあ、ごはんの時間よ。 いただきますして ……」 |
| シーラ 「…あら? にげられちゃったかしら!」 |

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剣先が地に触れる。わずか乾いた血の匂いがする。 |
