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―― 耳を圧迫するような、風のなびき。 大きな翼が、上空で羽ばたき―― 急降下してきた!木々の葉が吹き飛ばされる! 大烏の化け物が現れた! |

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ハザマの大地を踏む黒鉄の音。 暗い諦観を瞳に宿した男が、剣を構える。 |

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抜身の剣を握り直す——その手はやはり震えている。 |
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呼吸に肩が上下する。 |
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『ひとつ 東に卑怯者』 『ふたつ深い、絶望の底』 |

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『みっつ 惨めに這いずり回って …』 |

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『あら?行く手を阻むのは誰?誰かしら! 』 |

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―― シーラの塔。 蛮勇の戦士。聡明な魔術師。 それはかつて魔女ドーラ・シーラを討とうとした英雄たちの死骸の山だ。 積み上がった死体は塔のごとく空を目ざす、生暖かい腐臭をはなつ魔物の住処となっている。 |


かつて故郷を、世界を救った英雄たちも、今や名をうばわれ、 戦うべき相手の顔も忘れて 怨鎖の剣を振るう。 |



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ギャア ギャア! |

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急所と思しき箇所を狙う。 |

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ギャア ギャア! |


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ギャア ギャア! |


| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
| シーラ 「逃れられはしないものよ」 |
ギャア ギャア! |

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斬りあげる。 |
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ダーシャ 「ちっ」 |
| ダーシャ 「……」 |

| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |
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細く長く深い呼吸。 |
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――――ビリリッ カラスの鳴き声に呼応し 空気がしびれる! |
| シーラ 「…あら? (ちりん、ちりんと髪飾りを指ではじいている) 寿命かしら、動きがにぶい…」 |

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薙ぎ払う。 |
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ダーシャ 「ちっ」 |

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一瞥する。 |
| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |

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薙ぎ払う。 |
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ダーシャ 「ちっ」 |
| ダーシャ 「……」 |
か細い金属音。 |
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ダーシャ 「ちっ」 |
| シーラ 「こうべを垂れよ」 |

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今一度剣を握りなおす。 |
| シーラ 「(髪飾りを一つ摘み上げ、指で弾いてチリンと鳴らす)」 |


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ダーシャ 「ちっ」 |
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ダーシャ 「ちっ」 |
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ダーシャ 「ちっ」 |

ギャア ギャア! |

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ダーシャ 「ちっ」 |
| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
| シーラ 「…あら? (ちりん、ちりんと髪飾りを指ではじいている) 寿命かしら、動きがにぶい…」 |
ギャア ギャア! |

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突き刺す。 |
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ダーシャ 「ちっ」 |

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懐へ飛び込む。 |
| ダーシャ 「……」 |
| シーラ 「こうべを垂れよ」 |

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ダーシャ 「ちっ」 |

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叩き斬る。 |
| ダーシャ 「……」 |
| ダーシャのカード発動! |
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これはお前たちに捧げる侵略の狼煙……――― |

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| 悪意の魔女のカード発動! |
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深く吐き出される息。震えるその末尾。 |

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突き刺す。 |
| ダーシャ 「……」 |
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ダーシャ 「……。」 |
| ダーシャのカード発動! |
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『愛』 「私を呼ぶとは随分ですね? 呼ばれた分は働きますが。」 |
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深く吐き出される息。震えるその末尾。 |
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呼吸を整える。 |
| シーラ 「えいえい、そ〜れえ!」 |
| シーラ 「あら?まあ!」 |

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| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
0 2 0 0 1 2 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 0 0 0 4 2 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
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| シーラ 「いったい何処まで抵抗するのかしら?うふふっ!」 |

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剣先が地に触れる。わずか乾いた血の匂いがする。 |
