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飢餓の魔女 「なん と か しなき ゃ」 |
| 能面で顔を覆う。その表情はうかがい知れない。 |
| 手にした小刀の切っ先を顎下に宛がう。右の手で柄を叩くと、刃はするりと咥内に挿入され、切っ先は延髄に達した。 |
――――リン |

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U・D 「―――さて、では早速、UD理論の講義を始めさせてもらおうかの。」 |
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チェリーさん 「誰か来たらどうするんだっけ・・・?」「わすれちゃった。」 |
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ちわわ 「くぅ~ん・・・キャンキャン!」 |
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チェリーさん 「誰か来たらどうするんだっけ・・・?」「わすれちゃった。」 |
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チェリーさん 「誰か来たらどうするんだっけ・・・?」「わすれちゃった。」 |
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魔女はゆらりゆらりと左右にゆっくり揺れている。 |
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魔力は幾ばくか馴染んできたようだ。 |
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…進まなければならない、否定の世界へと帰るために。 |
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U・D 「―――さて、ではUD理論における基礎理論講座を始めるとしようかの。」 |
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U・D 「まず最初に『ジャイロ効果』について話そう。これは「物体が自転運動をすると姿勢を乱されにくくなる現象」を指す。回転しているコマとか走行している自転車が安定するアレである。」 |
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U・D 「そしてもう一つ、『作用反作用』というものがある。まあ、ハンマーとかで何かを打った時、衝撃は物体とハンマー両方に分散され、物体はへこむしハンマーは弾かれる、そういう動きである。」 |
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U・D 「さて、ここでUD理論を展開する。『打撃時に発生する反作用を、攻撃者に備わったジャイロ効果で受け止めることで反作用によって衝撃を逃がすことなく対象にぶつける』・・・これを『ジャイロ正拳』と呼ぶことにする。」 |


| 禍津日 「 か~ごめ~ か~ごめ~ か~ごのな~かの と~り~は~ 」 |
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飢餓の魔女 「つよ い つよ い きし さ ん どう か どう か みんなを まもっ て」 |
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いくつかの飴玉が空を舞う、それは次第に何かを形どろうとしていた…! |
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飴細工の騎士 「騎士は静かに盾を構えた。」 |
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U・D 「ん?『ぐるぐる回転しながら攻撃してジャイロ効果を発生させるんじゃないのか?』だって?がはは、わざわざ回転する必要もないわい。」 |
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チェリーさん 「ぶ、ぶれいくだんす!!」「ちぎれるよ。」 |
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チェリーさん 「なんか私達にメロメロ!?」「おいしいからね。」 |
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チェリーさん 「ば、ば、ばとるだんす!!」「がんばって。」 |
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ちわわ 「きゃうーん!」 |

| 禍津日 「 と~りゃんせ~ と~りゃんせ~ こ~こは ど~この ほそみちじゃ~ 」 |
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数個の飴玉が水のように溶けていく。 それはしだいに水飴となり、敵へまとわりつかんと意思を持つように飛びかかった。 |
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騎士は味方の前に立ち飴細工の盾を構える。 |
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U・D 「いいかね、人間の身体には血液が循環しておる。回転しておる。ぐるっぐるに。ジャイロ効果の軸はここから発生させれば良い。 あ、つまり~、 血液循環を超高速に回転させる!!体軸にジャイロ効果が発生する!」 |
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チェリーさん 「ば、ば、ばとるだんす!!」「がんばって。」 |
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チェリーさん 「ぶ、ぶれいくだんす!!」「ちぎれるよ。」 |
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チェリーさん 「ぶ、ぶれいくだんす!!」「ちぎれるよ。」 |
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ちわわ 「きゃうーん!」 |

| 禍津日 「 か~ごめ~ か~ごめ~ か~ごのな~かの と~り~は~ 」 |
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まるで怪物のような髪が、まるで体当たりするかのように暴れ始めた。 |
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騎士は味方の前に立ち飴細工の盾を構える。 |
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U・D 「―――そして打つ、これがUD理論に基本形、『ジャイロ正拳』である!みんなもやってみよう!!」 |
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チェリーさん 「てい!てい!てーいッ!!」「へなちょこ。」 |
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チェリーさん 「ぶ、ぶれいくだんす!!」「ちぎれるよ。」 |
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U・D 「相手の攻撃と同量、同力のちからをぶつけて相殺する、これぞUD理論に曰く、『同撃相殺』である。」 |
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チェリーさん 「てい!てい!てーいッ!!」「へなちょこ。」 |
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ちわわ 「キャンキャン!」 |

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数個の飴玉が水のように溶けていく。 それはしだいに水飴となり、敵へまとわりつかんと意思を持つように飛びかかった。 |
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騎士は傷ついた味方の壁になるようにそこに立つ。 |
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U・D 「無論、体内ジャイロは防御にも使える。 相手の攻撃を、ジャイロで受け止めるのである。」 |
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U・D 「おおっと。いかんいかんやりすぎた。すまんの☆」 |
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チェリーさん 「ぶ、ぶれいくだんす!!」「ちぎれるよ。」 |
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チェリーさん 「ぶ、ぶれいくだんす!!」「ちぎれるよ。」 |
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チェリーさん 「ぶ、ぶれいくだんす!!」「ちぎれるよ。」 |
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ちわわ 「ちょっかい出しといてヤケドで済むと思ってんか?」 |
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チェリーさん 「これからどうなっちゃうの・・・?」「・・・わかんない。」 |
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チェリーさん 「これからどうなっちゃうの・・・?」「・・・わかんない。」 |
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ちわわ 「・・・・・ァア?」 |
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チェリーさん 「なんか危ないひとみたい!?」「だめかも。」 |

| 禍津日 「 と~りゃんせ~ と~りゃんせ~ こ~こは ど~この ほそみちじゃ~ 」 |
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まるで怪物のような髪が、まるで体当たりするかのように暴れ始めた。 |
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飢餓の魔女 「…ごめ ん な さい」 |
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騎士は仲間へと応急処置を行う。 |
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U・D 「(つかれたので笑顔でキメ)」 |
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チェリーさん 「てい!てい!てーいッ!!」「へなちょこ。」 |
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ちわわ 「キャンキャン!」 |
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チェリーさん 「これからどうなっちゃうの・・・?」「・・・わかんない。」 |
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ちわわ 「・・・・・ァア?」 |

| 禍津日 「 あのこが ほしい あのこじゃ わからん 」 |
| ひと ふた み よ いつ む |
| なな や ここの たり |
| ふるべ ゆらゆら と ふるべ |
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まるで怪物のような髪が、まるで体当たりするかのように暴れ始めた。 |
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騎士は傷ついた味方の壁になるようにそこに立つ。 |
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U・D 「体内にある微弱な電気を直列繋ぎすると、ブレイクダークなサンダーを出せるぞ!これ豆知識な」 |
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U・D 「おお、やるではないか。」 |
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ちわわ 「キャンキャン!」 |



| 禍津日 「 と~りゃんせ~ と~りゃんせ~ こ~こは ど~この ほそみちじゃ~ 」 |
| ひと ふた み よ いつ む |
| なな や ここの たり |
| ふるべ ゆらゆら と ふるべ |
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飴玉が大針へと変化していき、敵を貫かんとする。 |
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騎士は味方の前に立ち飴細工の盾を構える。 |
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U・D 「すまんの。歳を取ると、自前の元気だけでは中々、の。」 |
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ちわわ 「生憎もう容赦とかそういうの超えてんだわなぁ。」 |
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ちわわ 「くぅ~ん・・・・・」 |
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0 0 0 0 0 0 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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飢餓の魔女 「みん な だい じょ ぶ?」 |
| ―― さんぜん せかいの からすを ころし |
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怪異は消失した。 |
| ――――…………ん |
| 瑠璃子 「……終わり…ましたか?」 |
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U・D 「がはははは!「ナレハテ」・・・さてさて、成れて果てる前は、なんであったのかのお? 持ち帰って研究させたいところじゃが、ままならぬのがハザマの理よの。・・・欲しいのー『ワールドスワップ』。」 |
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戦いが終わる気配を察知すると、騎士は粉々に砕ける。 後に残った欠片は粉雪のように溶けて消えていった。 |
