新・アザラシ王国
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ハザマに生きるもの
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少女 「うぅっ…… ひっく……」 |
暗がりに少女のすすり泣く声が響く。突如ハザマへと召喚された少女は、自らの境遇も理解できないままナレハテに襲われたのであった。 |
ナレハテ 「ア゛ァ゛…………」 |
少女 「いたいよぉ…… こわいよぉ……」 |
座り込む少女へとにじり寄るナレハテ。しかし、少女にはもはや抵抗する気力も無い。 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………ッ!!」 |
少女 「ひっ!」 |
そしてナレハテの慈悲無き一撃が少女を捉えんとする、まさにその時。 |
ナレハテ 「ア゛……ァ!?」 |
少女 「!?」 |
間に割って入る巨大な獸。 獸はナレハテから少女を庇うように立ちはだかり、牙を剥いた。 |
獸 「すや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ゛!!」 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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突進。 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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獸 「牙の一撃。」 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
勢いに乗った獸を捉える事は難しい。 |
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獸 「牙の一撃。」 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
勢いに乗った獸を捉える事は難しい。 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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獸 「牙の一撃。」 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
勢いに乗った獸を捉える事は難しい。 |
ナレハテ 「ア゛ア゛ア゛ア゛ァァ…………」 |
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獸はナレハテを噛み砕き飲み込むと、呆然とする少女へにじり寄る。 少女は逃げようとするが、恐怖に腰が抜け、立つ事もできない。 |
少女 「い……いや……っ」 |
しかし、獸は少女へ鼻先を寄せると、甘えるように擦りつけるだけであった。 |
少女 「……もしかして、すやぴ……なの?」 |
すやぴ 「すや゛ぁ……」 |
少女 「すやぴ……すやぴだ。ほんとに、すやぴなんだ……」 |
少女は抱えきれないほど大きな『すやぴ』の頭へ腕を回すと、それを愛しそうに撫でた。 それから暫くして、一人と一匹は暗闇へと消えていった。 |